妻が隠し通した「とある秘密」
調査官「奥様は貸金庫を契約されていましたよね。そちらを確認させていただけますか?」
Aさん「えっ、貸金庫? そんなの知りませんが……。専業主婦の妻がなぜ?」
調査官は淡々とファイルをめくりながら、妻の口座記録を示しました。
「ご確認いただければわかりますが、利用料が毎年引き落とされていますよ」
調査官から告げられた突然の事実に、思わず困惑するAさん。Aさんは訳がわからないまま、妻が通帳を契約していた銀行を調査官と一緒に訪れました。
なんだじゃこりゃあ!…貸金庫に預けられていた「驚きの財産」に悲鳴
すると、調査官の言う通り、妻はその銀行に貸金庫を所有していました。
担当者に連れられて専用の個室へ向かう道中、Aさんの心中は穏やかではありません。
妻が自分に隠しごと? そんなことあるわけがない。そもそも、専業主婦の妻がいったいなぜ貸金庫なんか……。
Aさん「な、なんじゃこりゃあ!」
Aさんは貸金庫に預けられていた“妻の秘密”を目にして思わず悲鳴をあげました。
妻の貸金庫には、いくつもの宝飾品が預けられていたのです。
ダイヤモンドの指輪が光を反射し、宝石のケースがキラキラと輝くなか、Aさんはしばらくのあいだ茫然とその指輪を見つめていました。
実は、Aさんの妻の実家はその地域では有名な会社を経営していた裕福な家庭。妻には2人の兄がおり、会社と実家を継いだ代わりに、妻は形見としてダイヤモンドの指輪をはじめいくつもの宝飾品を受け取っていたのでした。
「妻は、義理の両親が亡くなった際『兄がすべて相続したから私は形見ぐらいしか相続してない』と言っていたのですが……その形見がこれだったんですね。私はまったく知りませんでした」
この結果、約6,000万円ほどの価値がある宝飾品に対して、約400万円の追徴税を課されたのでした。
追徴税を告げられたAさんは動揺していましたが、冷静になると自分が気づかなかった貸金庫の存在を教えてくれた税務署に感謝していると笑って話してくれました。
