都内暮らし、日々の出費でカツカツ…
■世帯主の年齢別の所得状況
厚生労働省「2024年 国民生活基礎調査の概況」によると、1世帯当たりの年間の平均所得金額は545万7,000円です。内訳を見ると、「高齢者世帯」は318万3,000円、「高齢者世帯以外の世帯」は665万円、「児童のいる世帯」は785万円となっています。
世帯主の年齢階級別に見ると、所得がもっとも高いのは「50~59歳」で742万1,000円。次いで「40~49歳」が728万5,000円、「30~39歳」が627万2,000円と続きます。最も低いのは「29歳以下」で377万5,000円です。
また、国税庁の発表によれば、20代前半の1人あたりの平均年収は267万円、20代後半で394万円。これでは、都内で一人暮らしをしようとすると、家賃や食費、通信費などを払っただけで毎月の収支はギリギリ。実際、「日々の出費でカツカツ」という若年層の声は少なくありません。
一方で、世帯人員1人当たりの平均所得で見ると、また異なる様相が浮かび上がります。
もっとも高いのは「50~59歳」の291万9,000円、次いで「60~69歳」が259万7,000円、「40~49歳」が239万5,000円となっており、最も低いのは「70歳以上」で194万6,000円です。
特に高齢者世帯では、所得の多くを公的年金に依存している実態があります。実際、年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち、「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%」という世帯は44.0%にのぼります。つまり、半数近い高齢者世帯が年金だけで生活しているのが現状です。
■高齢者世帯の年金受給状況
では、実際に受給されている年金の金額はどのくらいなのでしょうか。
厚生労働省「令和4年 年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)」によれば、公的年金(共済組合の年金、恩給を含む)の年金額階級別構成を見ると、男性では「200~300万円」が最も多く47.4%、次いで「100~200万円」が31.8%。平均額がもっとも高いのは85~89歳で、半数以上が「200万円以上」を受給しています。
一方、女性は「100~200万円」が最多で37.5%、「75~100万円」が26.7%。平均額が最も高いのは90歳以上で、半数以上が「100万円以上」を受給しています。
男女の差も大きく、男性の平均年金額は192.6万円、女性は120.7万円。女性の方が非正規・短時間労働の比率が高く、年金も少なくなりがちです。
