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「ラグジュアリーホテル」の始まりはヨーロッパから
ラグジュアリーツーリズムの進化を語る上で、ラグジュアリーホテル、特にラグジュアリーリゾートの変革は重要な意味を持つ。
ホテルの歴史はヨーロッパに始まった。城や宮殿で王侯貴族によって構成されていた社交界が、市民革命やブルジョワジーの台頭によって、上流階級を構成する人々が幅広くなり、新たな舞台となったのが「グランドホテル」と総称される高級ホテルだった。
その結果、ホテルは「宿泊」だけではない、ステータス機能を持ち始めた。それゆえにラグジュアリーホテルにおいては、格式や権威の象徴となる、ヨーロッパスタイルの建築やインテリアが長く重んじられてきた。
それは、ヨーロッパ諸国が主に熱帯地方に拡大した植民地でも同じだった。熱帯の植民地ホテル、いわゆるコロニアルホテルに多い建築様式、ヴェランダコロニアル様式は現地の気候にあわせて、建物の周囲に風通しのいいヴェランダを設けたものだが、基本はヨーロッパ建築であり、現地の建築様式を取り入れたものではない。
食事も同じだった。ランチに「ティフィン」と称してカレーを食べることはあったが(「ティフィン」とはカレーを入れる弁当箱のこと。これから転じて軽食のことを「ティフィン」と呼んだ。シンガポールのラッフルズホテルのレストラン「ティフィンルーム」の語源である)、基本は西欧料理。熱帯にあっても、ディナーには、ヨーロッパ式の正装でダイニングルームに集い、ヨーロッパ式のマナーにのっとって食事をした。
その後、アメリカ経済の繁栄と共に、アメリカ的なモダニズムの大型ホテルが登場。リゾートにおいても、ハワイやマイアミに出現した高層ビルの大型ホテルが脚光を浴びるようになった。
