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「富裕層の旅」の1日は、“日の出前”に始まる
滞在中もラグジュアリーの概念を覆すような出来事が次々とおこった。
ラグジュアリーリゾートというと、ゲストはプールサイドで気ままにのんびりしている印象があるが、野生動物の生態にあわせ、1日のスケジュールは決められている。
滞在のハイライトは、早朝から午前と、午後から夕刻、1日2回のゲームドライブ(四輪駆動車でサバンナを走行し野生動物を見るアクティビティ。一般に「サファリ」とはゲームドライブをさすことが多い)。宿泊料金は食事、飲み物からランドリーまで込みのオールインクルーシブで、これらのアクティビティも含まれている。
朝は夜明け前にモーニングコールがあり、モーニングティーと軽い朝食の後、朝陽が昇るのと同時にゲームドライブに出発する。戻ってきて、ブランチの後一休みして、アフタヌーンティーの後、再び午後のゲームドライブに出かける。
世界中から富裕層のゲストが集まっていたが、ゲームドライブに行かずに寝ているなんて人は誰もいなかった。なぜならサファリの「体験」こそが、シンギータに滞在する最大の目的だからだ。
車は屋根なし、ルールもなし…「私営動物保護区」だからこその高い自由度
それ以前に私はケニアとザンビアで国立公園でのサファリを体験していたが、シンギータのゲームドライブは、心なしか1回あたりの時間が長い気がした。体験が充実するほどラグジュアリーということなのだろう。
ケニアや南アフリカの国立公園では(ザンビアは一部例外だが)、道路を外れて走行してはいけない、日の出前、日の入り後のゲームドライブは禁止、車の外に出てはいけないなどの規則がある。だが、私営動物保護区では、これらに一切縛られない。
国立公園では屋根付き車両が義務づけられていることが多いのに対して、私営動物保護区では屋根無しのランドローバーが主流。視界は抜群、ただし、当然ながら危険が伴う。だからこそ、免責同意書が必要なのだ。
それでもランドローバーは茂み(まさにブッシュ)をバキバキと枝をかき分けて進み、驚くほど近くまで野生動物に接近する。たとえば、ライオンを望遠レンズを使わなくてもいいような至近距離で見ることができる。ランドローバーはオープントップだから、隔てるものは何もない。手を伸ばせば届きそうな距離にライオンがいるのである。
と言うと強引なイメージがあるが、シンギータのようなラグジュアリーロッジではゲストの数が少ないので、ケニアの国立公園で見られるような、一頭のライオンに車が列をなして渋滞するオーバーツーリズム現象はおこらない。
