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深夜の実家にいた「まさかの人物」
「なによ、こんな時間に! ご近所迷惑でしょ?」
玄関前の踊り場に仁王立ちしていたのは、バケツと雑巾を手にした5歳年下の妹・恭子さん(仮名・51歳)でした。
渉「なんでお前がここに?……泥棒は!?」
恭子「はぁ!? いきなりやってきて〈泥棒〉ってなに? 私は介護に来てるの。金曜はいつも泊まりで世話してるって、何度も何度も話してるでしょ?」
渉「介護? 母さん、病気なのか?」
恭子「あのねぇ……!」
妹は、呆れ果てた表情で渉さんをにらみました。
2040年には「約1,000万人」に…認知症は“他人事ではない”
母親がおびえる「知らないおばさん」とは、介護にきている長女(妹)のことであり、これは認知症の症状のひとつである「見当識障害」によるもののようでした。
「認知症」とは、さまざまな病気により脳の神経細胞の働きが徐々に変化し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障を来たした状態のことをいいます。
厚生労働省の調査によると、2022年時点で65歳以上の高齢者3,603万人のうち、認知症患者は443万人(12.3%)。ここに「軽度認知障害」(559万人/15.5%)を含めると、高齢者の約3割が認知症、あるいは認知症予備軍であることがわかります。
超高齢社会の進行とともに患者は増え続け、2040年には802万人~953万人に増えると予測されています。認知症の問題は、高齢の親をもつ人であれば誰もが直面する可能性があるのです。
渉さんは、妹の姿におびえて背中に縋りつく母親をなだめ、寝室で寝かせたあと、リビングで妹と話をしました。
父が亡くなったあと、渉さん家族が実家に戻る話もありましたが、母親は「お兄ちゃんに迷惑はかけられない」「自宅と年金が15万円あればやっていける」といって同居の話は白紙に。しかしその後、徐々に認知症の症状が現れるようになったそうです。
恭子「お母さんに介護が必要だ、様子を見てって何度いっても〈仕事が忙しい〉の一点張りで、結局、私がずっと面倒見てきたんじゃない」
渉「そうだったっけ……」
恭子「いい加減にして! 私だって仕事してるの。独身だからって介護を押し付けないでよ。お母さんもひどいよね、滅多に来ないお兄ちゃんは覚えているのに、私のことは知らないおばさん呼ばわりなんて…」
渉「任せっぱなしで、すまない。本当にありがとう……」
恭子「ありがとうじゃないわよ!!」
妹からのSOSをすっかり忘却していた渉さん。しかし、あんなにおしゃべりで明るかった母親の変わりように、気持ちが追い付きません。
渉「でもさ…。母さんがあんなに怯えるなんて、まさか、なにかあったんじゃ…?」
恭子「よくもそんなことがいえるわね、だったらあんたがお母さんを引き取ればいいでしょ!」
すでにギクシャクしていたきょうだいの関係は、この件をきっかけにいっそう冷え込んでしまうのでした……。
[参考資料]
・厚生労働省「認知症および軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計」
(https://www.mhlw.go.jp/content/001279920.pdf)
・政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」
(https://www.gov-online.go.jp/article/202501/entry-7013.html)
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