(※画像はイメージです/PIXTA)

少子高齢化が進み、生活保護費の歳出が増え続けるなかで、「ベーシックインカム」という新たな制度の導入の可能性にも注目が集まっています。本記事では、東京大学名誉教授・井堀利宏氏の著書『知らなかったでは済まされない 経済の話』(高橋書店)から、生活保護の現状と新たな制度について解説します。

生活保護に代わる制度とは

井堀:注目されているのが給付付き税額控除だね。低所得者で子どもを抱える世帯などに、働いて所得を得れば得るほど給付金を上乗せする仕組みだね。ある程度所得が増えたら給付額は減って最終的にゼロになるんだけど、働けば働くほど得になるというインセンティブが働くのがポイントなんだ。

 

佐藤:生活保護とは違い、働くと給付が減るどころか働くと給付が増える時期があるんですね。

 

井堀:そう。低所得の子育て世帯なんかには特にメリットが大きい。欧米各国ではすでに導入されていて、労働意欲を高める効果があると評価されている。一方、日本では議論こそあるけど、まだ本格的に検討されている様子は見えないね。

 

佐藤:具体的にはどんなイメージなんでしょう?

 

井堀:【図表1・右】で示されているように、所得がy1までは勤労所得が増えるほど給付金も増える。その後y1からy2の間は給付金が一定になって、y2を超えると段階的に給付が減っていき、y3に達すると給付がゼロになる……という非線形の仕組みだよ。ベーシックインカムは、左図のように、全員に一定額を配る仕組みなのに対し、給付付き税額控除は働きに応じて支援額を調整するのが特徴だね。

 

(図表1)ベーシックインカムと給付付き税額控除の比較

 

 

井堀利宏

東京大学名誉教授

 

 

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本連載は、井堀利宏氏の著書『知らなかったでは済まされない経済の話』(高橋書店)より一部を抜粋・編集したものです。

知らなかったでは済まされない経済の話

知らなかったでは済まされない経済の話

井堀 利宏

高橋書店

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