理解していればいいが…残クレが増えた“危険な背景”
残クレを選択する人が増えた背景として、近年の中古車市場の高騰が追い風となっています。
特にアルファードやランドクルーザーなど値崩れしにくい高級車に多い印象です。これらの車種は需給のひっ迫から一時“プレミア価格”となっていたため、「実質タダで乗れる。上手くいけば儲かる」と考えた人が、資金に余裕がないまま残クレを利用する、というケースが増えたと考えられます。
ただし、中古車市場の変動や車両の状態(走行距離や故障・損傷)によっては損失が出るリスクもあるため、上記のような期待を抱いた安易な購入はお勧めできません。
Aさんのような資金に余裕がありながらも残クレを選択する人は、手持ちの資産を投資や他の運用に回し、車のローン金利以上のリターンを狙う人が多いです。
Aさんは「現金で買うより、投資で増やした方が得」と考え、年5~7%のリターンを目標に運用しています。
また、社用車として購入すれば、燃料、保険、車検などの費用を経費計上できるメリットも。Aさんは「リセールバリューを気にせず好きな車に乗れて、3年ごとに最新モデルに乗り換えられる。残クレは最高ですよ」と笑顔で語ります。
残クレが“向いている人”とは
車の使用頻度が少ない人
週末のみの使用など、走行距離が少ない場合、残クレの走行距離制限(例: 月1,000km)に収まりやすく、追加料金のリスクが低いです。
反対に、地方などで普段からよく車を利用する、定期的に長距離走行の予定がある人などは向いていないでしょう。
高頻度で新車に乗り換えたい人
契約満了時に新たな残クレで新車に乗り換えられ、まとまった出費を抑えつつ最新モデルを楽しめます。最新技術やデザインに魅力を感じる人にとっては有効でしょう。ただ、もちろんその場合も自身の資産状況を勘案して判断する必要があります。
賛否両論のサービスだが…
残クレについては、近年YouTubeやSNSを中心に賛否両論が飛び交っているサービスです。
特定の人には確かに魅力的ですが、仕組みを理解せずに契約すると、残価精算時に高額な追加支払いが発生するリスクもあります。契約前には、金利、走行距離制限、維持費を慎重に検討し、自分に最適な購入方法を選びましょう。
賢く使えば、残クレは夢の車を手に入れつつ、資金を有効活用する強力なツールになります。Aさんのように、ライフスタイルと資産運用を両立させる戦略を取り入れることで、車購入がよりスマートな選択になるでしょう。
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宮路 幸人
宮路幸人税理士事務所
税理士/CFP
