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出国税適用拡大の重大な影響
1.現在の状況と今後の変化
現在、暗号資産は出国税の対象外となっており、1億円以上の資産を保有する投資家が海外に移住する際にも、暗号資産の含み益に対して課税されることはありません。このため、多くの暗号資産長者がドバイやシンガポールなどの税制優遇国に移住し、そこで暗号資産を売却して無税で利益確定するという戦略を取ってきました。
しかし、金商法適用により暗号資産が有価証券扱いになれば、出国税の対象となる可能性が高く、1億円以上の含み益を持つ投資家は海外移住時に約15%の出国税が課されることになります。
具体的な影響例
26.7億円の暗号資産(取得価格500万円)を保有する投資家がドバイに移住する場合
●現行制度:出国時の課税なし、ドバイやシンガポールに移住後に利確すれば無税
●改正後:出国時に約4.0億円の出国税(含み益26.65億円の15%)
この変更により、従来の海外移住による税負担回避戦略は実質的に封じられることになります。
2.2027年施行前の駆け込み移住の可能性
制度改正の施行が2027年に予定される中、暗号資産長者の間では制度変更前の駆け込み移住が増加する可能性があります。特に以下のような動きが予想されます。
2025-2026年の移住ラッシュ
制度確定から施行までの期間に、大口保有者による海外移住が集中的に発生する可能性があります。
移住先の多様化
ドバイやシンガポールなど、暗号資産の利益に非課税の国や地域への移住が加速する可能性があります。特にビットコインなどの暗号資産で不動産を購入でき、ゴールデンビザが容易に取得できるドバイへの移住が増加することが見込まれます。
3.移住タイミングの重要性
出国税は海外移住時の含み益に対して課税されるため、移住のタイミングが極めて重要になります。ビットコインが史上最高値を更新するような状況では、移住の遅れが多額の税負担増加につながる可能性があります。
ただし、移住には居住実態の証明、国際的な租税条約の適用など、複雑な事情の検討が必要であり、専門家による綿密な計画立案が不可欠です。また、形式的な移住だけでは税務当局に非居住者と認められない可能性が高く、実質的な生活拠点の移転が求められます。
※ 次回記事では、トークン発行に伴う厳しい規制、事業者への負担の増大について解説します。
森 和孝
Eminence Luxe(ドバイ不動産仲介会社)Founder/CEO
One Asia Lawyers 国際弁護士(UAE法、シンガポール外国法、日本法)
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