疎遠だった兄から、まさかの置き土産…人生が一変
Aさん(仮名・54歳)は地方都市で一人暮らしをする会社員。転職を繰り返し45歳のときにようやくたどり着いた会社で働いていました。当時の年収は480万円、貯金は800万円ほど。決して余裕がある生活とはいえません。
在職期間が短いため、60歳で受け取れる退職金もごくわずか。このままでは70歳、いや、死ぬまで働かなくてはならないかも……。諦めに近い覚悟があったといいます。
そんなある日、思いもよらない転機が訪れます。疎遠だった8歳上の兄が病気で他界し、遺産がAさんの手元に舞い込んだのです。兄は若い頃に起業し、実業家として成功。諸経費や相続税を差し引いても、Aさんの手元には約7,000万円が残ることになりました。
生まれた時から優秀な兄と比較されてきたAさん。成人後はほとんど交流がなく、年に一度、兄から律儀に届く年賀状が唯一のやり取り。直接会ったのは両親の葬儀の時だけだったそうです。
Aさんは、兄が事業で成功していることはうっすら知っていましたが、その資産を受け取れるとは夢にも思っていませんでした。突然の幸運に、さすがのAさんも兄の墓前に手を合わせ、感謝を述べたと言います。
しかし、この予想外の遺産こそが、Aさんの人生を狂わせる始まりでした。
