2軸思考で「価格以外の選択肢」を見つける秘訣
これらの事例からわかることは、価格競争を避け、価格以外の選択肢を顧客に提供し、競争相手のいない「空きポジション」を見つけることが生き残りにつながっているという点です。
そして何より重要なのは、この価格以外の選択肢を「自分で見つける」ということです。残念ながら顧客に聞いても新しい選択肢は出てきません。顧客のニーズは潜在化しているからです。
お客さんはいつの時代も、商品やサービスが形になったときにはじめて「これが欲しかった」と言ってくれます。潜在化したニーズを探り当てるのは私たち商人の使命といってもよいかもしれません。
潜在的ニーズを発掘するためにクライアントさんとは「価格以外の選択肢」をまずは100個考えましょうと言っています。100個というと皆さん「ぐわっ」という顔をされますが(笑)、10個ぐらいだと今の延長線のアイデアぐらいしか出てきません。
そこに100個というゴールを作ることで、今までの延長線ではない新しいアイデアが生まれます。100個の内、1個だけ「これはおもしろいかも」というアイデアが見つかればしめたものです。
業界の常識に囚われず、「どこにお客さんのニーズが潜んでいるのだろう?」と、自らの頭で考え抜きましょう。すぐによいアイデアが出なくても焦る必要はありません。「どうせ無理だ」と諦めるのではなく、「何か面白い軸はないか?」と遊び心を持って、たくさんのアイデアを出してみるのがおすすめです。
2軸思考の習慣化がビジネスの未来を切り開く
安易な価格競争は企業体力を消耗するだけです。「2軸思考」は、価格以外の選択肢を見つけ、競争を避け、独自の市場を切り拓くための強力なツールです。「価格以外のどんな選択肢を提示すればお客さんが喜んでくれるか?」と問い続けること。この思考習慣が、きっとあなたのビジネスの未来を切り拓く鍵となりますよ。お試しあれ。
石原 尚幸
株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
