経営理念にも影響を与えた「祖母の言葉」とは
私の祖母は、近所の身寄りのない老人やホームレスの方々に食事を振る舞い、時には小遣いを渡す慈善活動をしていました。この活動は、地域の一部で知られており、ある政治家もたびたび祖母のもとを訪ねてくるほどでした。
祖母の周りにはいつも多くの人が集まっていました。子どもだった私は「なんでばあちゃんの周りにはこんなに人が集まるんやろ?」と不思議に思っていたことを今でも覚えています。そんな祖母が、私に常々こう言い聞かせていました。
「いいかい。どんなつらいことがあっても妬まない、恨まない、比べないことよ」
「与えてもらうより、与えてあげられる人になりなさい」
祖母には、家族から疎まれ、孤独を抱えながら生きている私の心情が全て見えていたのです。この言葉は、私の人生における指針として、深く胸に刻み込まれました。その後の人生で、私は海上自衛隊、さらに大手宅配会社という大きな組織の中に身を置くことになります。
数多くの嫉妬や怨嗟(えんさ)が渦巻くドロドロした世界で、派閥同士の争いや足の引っ張り合いなども数多く見てきました。私自身が巻き込まれてしまったこともあります。しかし、そのたびに、私は祖母の「妬まない、恨まない、比べない」という言葉を心の中で繰り返していました。
Gラインの経営理念も、祖母の教えが少なからずベースとなっています。社員が守るべき行動規範を明示した10カ条の「GMIND」には、「努力をしている自分を自分で褒めよう」「困っている仲間には手を差し伸べて力を合わせよう」という言葉を掲げています。
誰とも比較しなくていい。自分が努力して、昨日の自分よりも成長できたのであれば、それを純粋に認め、誇りに思おうというメッセージです。また、「GMIND」には「家族と仲間を全力で愛そう」という項目もあります。
幼少期から中学・高校という多感な時期にかけて、両親の愛情を満足に受けられなかった。病気、孤独、暴力に耐えながら、明日をどう生きようか考えていた。そんな壮絶な体験をした私だからこそ、社員には仕事仲間や家族を尊重し、愛し、支え合う心を大事にしてほしいと誰よりも強く願っているのです。
荒牧 敬雄
Gライン株式会社 代表取締役
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