エミン・ユルマズ氏、杉原杏璃氏、特別講演決定!
THE GOLD ONLINE フェス2025 SUMMER
~あなたの財産を守る・増やす・残すための大展示会~
★8月23日(土)/東京国際フォーラムB5・B7★
ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『50代から始める終活「争族・不動産」対策』
平田康人 (著), ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【大洋州、アジア・中東、アメリカ編】』
矢内一好 (著)、ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
宇宙飛行士のキャリアに区切りを
振り返ると、私は学生のとき、あるいは社会人になってから、さらには現役の宇宙飛行士時代に至るまで、ずっと先輩・同僚・後輩と自分自身を見比べていたように思うんです。
つまり、ずっと社会という「他人」の評価軸のもとに生きていたわけです。宇宙飛行士というレアな職種でもそれは同じです。宇宙という現場は数字の世界。宇宙飛行の回数、船外活動の実績時間、取得した資格の数……常に先輩・同僚・後輩との比較で一喜一憂していました。
それは、「あの人に追いつこう」とか「後輩も伸びてきているから負けないように」みたいな感じで、それ自体、決して悪いことではなかった。ただ、自分の中に、評価軸がなかったんです。
2回目のフライト後、悩み続けた10年間を経て、私は他の飛行士と比較して一喜一憂するのはもうやめよう、と思えるようになっていました。
そこから、棚卸しに踏み出したんです。私の場合、ただもう一つ、それまでのキャリアに一区切りを付けようと思えた理由がありましたので、付け加えたいと思います。
先ほど話した通り、宇宙飛行を3度成功させても、評価軸が自分の外にある限り他人との比較からは逃れられない。でも、意外なことに他者との比較という評価軸から離れることができたきっかけも他者からでした。
2つのギネス世界記録認定に「宇宙飛行士としてのキャリアはもうこれでいい」…
それは、3回目のフライトが終わり、二つのギネス世界記録認定をいただいたことでした。
一つは、「二つの船外活動における最も長いインターバル」の認定です。最初の船外活動はスペースシャトルでフライトしたときの2005年8月3日。その次は、クルードラゴンで飛んで国際宇宙ステーションに長期滞在したときの2021年3月5日。この間、15年214日の月日が流れていました。
もう一つのギネス記録は、三つの異なる宇宙船(スペースシャトル、ソユーズ、クルードラゴン)に搭乗して宇宙から帰還した初の宇宙飛行士。
いずれも「世界初」「世界一」と認めてもらえた。ギネスという、自分にはまったく縁が無いと思っていた世界記録、しかも二つ同時に認定されたことで、自分が納得する仕事をしていれば評価は後から勝手に付いてくる、そしてある程度までのレベルに達すると、細かい数字の差異はもう気にならず、宇宙飛行士としての実績はもう十分で、疑いようがないと自ら確信できることが分かりました。
宇宙飛行士としてのキャリアはもうこれでいい、と私は踏ん切りがつきました。
8/23(土)THE GOLD ONLINE フェス2025 SUMMER 連動企画
「THE GOLD ONLINE 川柳コンテスト」作品募集!
※募集期間:6月1日~8月13日