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アメリカの不労所得は日本の約3倍
興味深いデータがあるので、ご紹介しておきましょう。それは日米可処分所得の内訳です。可処分所得といって、収入から税金や社会保障費を抜いた、正味で消費に回せる所得が、なにによってもたらされているのかを、日米で比較してみました(図表1)。
基本的に収入は、働いて得られる労働所得と、事業活動による営業収入、そして株式投資などから得られる資本所得の3点に分けられます。その割合を見ると、日本の場合、所得に占める84%が労働所得で占められており、資本所得は8%に過ぎません。
これに対して米国の場合、労働所得は68%と日本に比べて低いものの、資本所得は23%を占めています。この違いが家計資産の伸びに大きな差をもたらしている要因の1つとも考えられます。
私たち日本人は、どうしても「働いて資産を増やす」という考え方になりがちです。それは決して悪いことではありませんが、世界を見れば「労働で得る収入」と「運用で得る収入」の両方を組み合わせながら、資産を増やしている人たちもいるのです。
日本の賃金は過去20年間ほぼ上昇していない
さらに追い打ちをかけるような悲観的な数値ですが、現実を直視するためにこちらも紹介しましょう。
先進主要国の2000年から2020年の20年間の実質賃金を比較します(図表2・上図)。実質賃金は、物価上昇率を差し引いた賃金です。すると、日本は20年経った今も20年前と物価上昇率を差し引いた賃金に変化がありません。これは、稀なことです。
しかも、この20年間の大半の年が、実質賃金が100を割り込んでいるという事態であり、日本の賃金がデフレ環境下で下がることはあっても上がることがなかったのかを物語っています。
直近では、名目賃金と言われる、支払われている賃金は上昇傾向にあります(図表2・下図)。
しかしながら、皆さんも身近に感じているように、2021年以降は、物価上昇を示すインフレ率は急速に上昇しており、残念ながら実質賃金はそこまで伸びていません。一方、図表2・上図のグラフが示すように、国際通貨基金(IMF)の分析によると2020〜2029年の日本の物価上昇率は18%と予想されています。つまり、賃金の伸びが物価上昇に追いついていない状況が続いているのです。
これがどういうことか説明しましょう。
わかりやすくするためにすべての品物が同じ価格上昇を遂げたとします。たとえば2020年に1000円だったランチは2029年には1180円でなければ食べられなくなります。給与30万円が35.4万円になっていなくては同じ生活はできないということになるのです。
賃金がなかなか増えない日本で、労働所得だけで資産を持つということは、物価上昇で資産が目減りする状況に甘んじているということになるのです。
私たち日本人こそ、そろそろ資産運用に健全に向き合うべきではないでしょうか?
シデナム 慶子
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