2008年、世界を震撼させたリーマン・ショック。多くの人が資産を失う、経済的な大混乱を目の当たりにしました。しかしそんなパニック状態の市場で、実は密かに資産を増やした人々もいるようです。本記事では、シデナム慶子氏の著書『投資に必要なことはすべて海外投資家に学んだ』(サンマーク出版)より、暴落時でも資産を守り、リターンを得る戦略を明かします。

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リーマン・ショックでも資産を増やせた理由

皆さんは2008年のリーマン・ショックを覚えていらっしゃいますか。

 

その前年、サブプライム・ローンといって、サブプライム層、つまり優良客(プライム層)よりも下位と見られている層向けの住宅ローンに不良債権が生じ、それを組み入れた証券化商品の相場が大きく崩れ、それらに投資した金融機関が多額の不良債権を抱え込むことになりました。それが原因で、リーマン・ブラザーズという米国で長い歴史を持つ投資銀行が経営破綻に追い込まれました。これがリーマン・ショックです。

 

米国最大級の投資銀行が経営破綻に追い込まれたことによって、世界中の金融市場ではパニックが起こり、米国以外の国の株価も暴落しました。しかも国内外の株価だけでなく、多種多様な債券の価格、不動産投資信託の取引価格といった伝統金融資産の大半が、暴落状態に陥ったのです。

 

ところが、このようなパニック的なマーケットでも、下落幅を抑え一部ではしっかりリターンが得られたものもあるのです。それがオルタナティブ投資でした。

 

このとき、私はオルタナティブ投資のなかでも「ヘッジファンド」を主にウォッチしていました。

 

少し専門的な話になりますが、ヘッジファンドの投資には、マーケットが値上がりするほどリターンが得られる戦略もあれば、逆にマーケットが下落するほどリターンが得られる戦略もあります。また、マーケットの方向性とは関係なく利ざやでリターンを積み重ねる戦略もあります。

 

私たちのオルタナティブ投資チームは、様々なヘッジファンドの戦略のなかで、マーケットが暴落するほどリターンが得られる戦略も、ポートフォリオに組み入れていました。

 

2008年は、サブプライム・ショックとリーマン・ショックが起こるまで、マーケットは上昇し続けていましたから、マーケットの下落に賭ける戦略は、マイナスのリターンが続いていました。

 

そのため、マーケットの下落に賭ける戦略を今後どうするか、チーム内で侃々諤々(かんかんがくがく)となりました。ある人は「もうだいぶ損失が積み上がっているからポートフォリオから外そう」といっていましたし、一方では「いやいや、そろそろマーケットは下げに転じるはずだから、むしろレバレッジをかけて比率を高めよう」という人もいました。

 

結果、サブプライム・ショック、リーマン・ショックによってマーケットが大暴落したため、私たちが持っていたヘッジファンドのポートフォリオは、マーケットの値上がりに賭ける戦略には大損が生じたものの、値下がりに賭ける戦略で大きな利益が得られ、ポートフォリオ全体では資産の保全ができました。

 

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※本連載はシデナム慶子氏の著書『投資に必要なことはすべて海外投資家に学んだ』(サンマーク出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

投資に必要なことはすべて海外投資家に学んだ

投資に必要なことはすべて海外投資家に学んだ

シデナム 慶子

サンマーク出版

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