自分より「能力の高い人」とサークルを作る
事業がうまくいくかどうかは、事業内容そのものよりも、事業を誰と盛り上げていくかにかかっている部分が大きいように感じます。ビジネスパートナーの資質が、事業のその後を左右するのです。
「何をやるか」より「誰とやるか」。そのことを、私は身をもって経験してきました。うまくいきそうだった事業も、組んだパートナーとの相性が悪かったために、歯がゆくも頓挫してしまうことがたびたびあったのです。どんな人と組んでしまうと失敗してしまうかは、書籍『30代までに知っておきたい お金と時間にしばられなくなる4つの仕組み』の中で書いた通りです。ここでは逆、あなたが組むべき最適なパートナーについて深く掘り下げます。
ビジネスを成就させる上で、どんな人と手を組むべきか。その答えはとてもシンプルです。
自分より能力の高い人を集める。たったそれだけ。専門分野に特化した人たちと組むことができれば、必然的に事業を加速させることができます。うまくいっている人は能力の突出した人材を周りにたくさん配置しています。うまくいっていない人は自分よりも能力が劣っている人を集めて、お山の大将を気取ります。
これは、実際に私がたくさんの経営者を見てきて、しみじみ感じたことです。自分より年収が低かったり、能力が下の人だけを集めたりすることで失敗を引き寄せてしまうからです。
「ピラミット型」組織では時流についていけない
「自分が一番上!」という意識で人間関係を構築していくと、自然とピラミッド型の組織になります。まるでカースト制度や独裁国家のようなパワーバランスが生まれ、上は自分の思うがまま傍若無人に指揮棒を振り、下は逆らえないまま強いられ、自分から動きだすことを避け、ストレスがたまりやすい環境へと収束していきます。
ワクワクなんて全然できないでしょうし、面白かったり画期的なコンテンツを創作したりすることなんて不可能でしょう。多くのうまくいっていない事業は、内容の下地自体はよくても、この人間関係のつくり方で破綻してしまっているようです。
人間関係で事業を失敗させないため、まず取り入れたいのは、ピラミッド型ではなくサークル型で人脈をつくっていくこと。縦ではなく横のつながり、ひいては輪の形状を強く意識することで、能力の高い人たちを集めやすい環境を形成することができます。
人のつながりがさらなるつながりを生み、情報の巡りがスムーズになり、連鎖式でマーケットを成長させるのがサークル型の最も優れたところ。関わるすべての人にとって、幸せな未来が待っています。
これがピラミッド型だと、ガチガチに固まった閉鎖的なものになっているので、新しい人脈や情報が入りづらくなっています。上に立つ人たちが指示するまま古い方式を貫いて、時流についていけず、崩壊の一途をたどってしまう。大企業でもそんな例が後を絶たなくなっています。個人で事業を成功させようと思っているなら、特にサークル型を尊重しましょう。
【図表】「ピラミッド型組織」と「サークル型組織」の比較