年金の繰下げを後悔しています…〈月20万円〉を受給する70歳元会社員が嘆き。月5万円以上増額も「65歳からもらうべきだった」と零すワケ

年金の繰下げを後悔しています…〈月20万円〉を受給する70歳元会社員が嘆き。月5万円以上増額も「65歳からもらうべきだった」と零すワケ

年金受給の選択肢は「65歳から受け取る」「繰上げて受け取る(最大5年)」「繰下げて受け取る(最大10年)」の3つ。どれを選ぶかは人それぞれですが、今回は「繰下げないほうがよかった」と思ったという人の事例をご紹介します。

繰下げで年金は増えるが「損益分岐点」や「健康年齢」に注意

公的年金は現役世代が支払う年金保険料を高齢者などに支給する年金に充てる「賦課方式」という仕組みで成り立っています。

 

しかし、少子高齢化で公的年金の支え手が不足する中、「支給額が減るのではないか」「制度が破綻するのではないか」「年金保険料を払う意味があるのか」など様々な意見・疑念が飛び交っています。

 

昨年5月には経団連のトップらが高齢者の定義を5歳引き上げる案を経済財政諮問会議で示し、「年金受給開始を70歳に後ろ倒しする布石では」などと議論を巻き起こしました。

 

とはいえ現時点では年金を老後生活の柱と考え、資金計画を立てるしかありません。年金の受給開始は65歳からが基本ですが、それ以外に「繰上げ」「繰下げ」の選択肢もあります。特に長寿化が進む中で注目されているのが「繰下げ受給」です。

 

通常は65歳になる前に年金受給の手続きをしますが、手続きをしなければ繰下げになり、1ヵ月繰下げるごとに年金が0.7%ずつ増加。1年の繰下げで8.4%、最大の10年では84%年金が増えます。1歳刻みで示したのが以下の表です。

 

【繰下げによる増額率】

・66歳:8.4%
・67歳:16.8%
・68歳:25.2%
・69歳:33.6%
・70歳:42.0%
・71歳:50.4%
・72歳:58.8%
・73歳:67.2%
・74歳:75.6%
・75歳:84.0%


※昭和27年4月1日以前生まれ(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している)の人は、繰下げ上限年齢は70歳まで。増額率は最大で42%

 

例えば、65歳から受け取ると月10万円の年金だった人が75歳まで(10年)繰下げると84%の増額に。単純計算で月18万4,000円になります。

 

このように最大84%の増額というのは一見すると非常に魅力的です。しかし、繰下げて待つ間にもしものことがあったら……? 本人は1円も年金を受け取れません。寿命を事前に予想できない以上、判断は非常に難しいものになります。

 

受け取り時期を考える際の鍵になるのが「損益分岐点」。年金を繰下げた時に、65歳から受給した場合の総額を上回るのが何歳かという指標です。

 

例えば、5年繰下げて70歳で受給開始した場合の損益分岐点は81歳11ヵ月。10年繰下げて75歳で受給開始した場合の損益分岐点は86歳11ヵ月です。81歳といえば男性の平均寿命とほぼ同じ。「心身ともに自立し健康的に生活できる期間」とされる健康寿命はさらに9年ほど短くなります。

 

結局のところ、得するか損するかは結果論になり正解はありません。繰下げをして年金を受け取れない期間があっても問題ない、「年金はもしものときの保険」と割り切って考えられる人については、繰下げが選択肢に入るといえそうです。

 

なお、繰下げを途中で辞めたい場合、65歳からの受給開始扱いで遡ることもできます。とはいえ、高橋さんのケースを見ても分かる通り、繰下げはお金だけではなく人生そのものにも大きく関わってきます。できるだけ後悔しないよう、慎重に選択することをおすすめします。

 

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

 

注目のセミナー情報

【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション

 

【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録