(※写真はイメージです/PIXTA)

世界のインターナショナルスクール市場は約7.9兆円に成長し、日本でも年間学費135万円~540万円の学校が注目されています。高額なイメージが強いインターナショナルスクールですが、一条校との連携や学費を抑えた新しい選択肢の登場で、富裕層以外にも手が届く存在になりつつあります。柴田巌氏の著書『未来をつくるインターナショナルスクール経営戦略』(プレジデント)を基に、その歴史と未来を紐解きます。

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日本のインターナショナルスクールの歴史、市場が発展し続けるワケ

1. キリスト教系から始まったインターナショナルスクール

日本におけるインターナショナルスクールの歴史は、1872年に横浜で設立されたサン・モール修道会学校(現・サンモール・インターナショナル・スクール)から始まりました。この学校は、布教活動の一環としてキリスト教の教えを広めるだけでなく、国際教育を提供することを目的としていました。当時、修道士たちは外国人子弟や多様な背景を持つ子どもたちに教育の機会を提供し、日本に住む異文化の子どもたちが母国の言語や文化とともに幅広い教育を受ける場をつくり上げたのです。

 

その後も、キリスト教系のインターナショナルスクールは日本国内で次々と設立されていきました。たとえば、1901年にはカトリック系のマリア会によって設立されたセント・ジョセフ・インターナショナル・カレッジが、そして1913年には神戸にカナディアン・メソジストアカデミーが開校しました。これらの学校は、当時の日本に住む外国人子弟に向けて、キリスト教的価値観に基づいた教育を提供するとともに、国際的な視野を持った人材を育てる場として発展していきました。

 

1950年代まで続々と新しい学校が誕生しました。これらの学校は、日本における初期の国際教育の礎を築き、国際的な視点を持つ教育を提供する先駆者的な存在でした。

 

2. グローバル化による英語教育ブームと裾野の広がり

1950年代に入ると、日本経済の復興とグローバル化の進展に伴い、民間主導によるインターナショナルスクールの設立が活発化しました。その代表例として挙げられるのが、松方アカデミーです。

 

同校は、設立者である松方種子氏が英語を教えるための小規模な塾としてスタートしましたが、中華系の転入生が増加することで規模を拡大し、1960年には生徒数が200名を超えました。その後、施設の増設とともに、現在の西町インターナショナルスクールへと発展していきました。

 

この時期、日本社会においても英語力の向上や国際的な視野の必要性が高まっていきました。海外旅行や留学が一般化するなかで、英語教育に対する関心は高まり、インターナショナルスクールへの需要が急増しました。特に、1990年代後半にはグローバル経済の発展とともに、国際教育を受けることが将来のキャリアにおいて重要視されるようになり、インターナショナルスクールの生徒数は大幅に増加しました。

 

また、この流れに伴って、プリスクール(幼児教育)やインターナショナルスクールへの入学準備をサポートする塾が人気を集めるようになりました。これにより、国際教育は早期からの準備が必要なものとして認識され始め、インターナショナルスクールに対する社会的な関心が一層高まっていったのです。

 

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※本連載は、柴田巌氏の著書『未来をつくるインターナショナルスクール経営戦略』(プレジデント)より一部を抜粋・再編集したものです。

未来をつくるインターナショナルスクール経営戦略

未来をつくるインターナショナルスクール経営戦略

柴田 巌

プレジデント

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