収益率の高さは「危険」に対する報酬
ただし、預金金利が上がるとしても、低いのは事実だ。それに対して、株式投資の収益率はずっと高い。
では、やはり株式投資をすべきか?
そうではない。なぜなら、株式投資はリスクのある投資であり、平均的な収益率は預金のような安全資産の収益率より高くなければならないからだ。
リスクが高いとは、個々の場合を見ると、収益率が非常に低かったり、場合によってはマイナスにもなるということだ。つまり、高い収益率を実現できる場合もあるが、逆に非常に低い収益率になる場合もある。場合によっては、損失をこうむる場合もある。
そうした危険に対する報酬として、平均収益率が高くなっているに過ぎない。株式投資をした人の全てが、預金よりも高い収益率を得られるわけではない。
以上で述べたようなことを無視して、「インフレ期には預金でなく株式投資」といった類のアドバイスをするのは、誠に無責任だと言わざるをえない。
野口悠紀雄
経済学者
一橋大学名誉教授
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