新NISAには巨額の宣伝費が投入
新NISAが長期的な貯蓄の手段として有利なものであるかどうかは、様々な条件に依存しており、確実とは言えない。このことを考えると、最近のNISAブームが異常なものであることを否定できない。
ブームになっている大きな理由は、新NISAの有利性が大きく宣伝されているからだろう。金融機関が新NISAを大々的に宣伝するのは、当然のことだ。
金融機関にとっては、預金を受け入れても手数料は発生しないが、株式投資や投資信託への投資であれば手数料収入が期待できるからだ。金融機関が新NISAの導入を大きな商機と考えていることは間違いない。
銀行預金を宣伝する銀行はない。手数料をとれないからだ。それに対して、新NISAには、巨額の宣伝費が投入されている。手数料をとれるからだ。まずこのことをしっかり理解する必要がある。
個々の投資者の資産がどうなるかに、金融機関が本当に深い関心を寄せているかどうか、分からない。沢山売れて手数料収入が入ればよいと考えているのかもしれない。
また、政府は、公的年金が不十分なので、新NISAで資産形成することを求めているようにも見える。しかし、これで必ず老後資金が確保できるというわけではない。
野口悠紀雄
経済学者
一橋大学名誉教授
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