相続は「駅伝」方式で考えればすべてうまくいく
いったん相続が始まってしまうと、財産を残すための有効な手立ては限られてしまいます。特に相続財産が多ければ多いほど、その傾向は強くなります。前回ご紹介した松下幸之助さんの相続のように、かろうじて二次相続で一矢報いることしかできません。しかも、二次相続は、配偶者が被相続人と同世代であればいずれはやってきます。
それでも打つ手は限られてしまいます。そのような状態になってしまう原因は、「一代で相続を乗り切ろう」と考えていることがほとんどだからです。現代の相続税を取り巻く状況は、一人でなんとかしようと思ってもできるものではありません。
財産を守るための「サポーター」を揃え、早めの準備を
私は、相続は「駅伝」のようなものだと考えています。ランナー同士で一つのたすきをつないでいく駅伝のように、資産(=たすき)を、相続人(=ランナー)から次の相続人へと次世代につないでいく方法を考えていけばよいのです。
大切なのは、被相続人と子どもだけで考えるのではなく、子どもや孫、そして法人など多くの相続財産を残すためのサポーターを揃えて戦略を練りつつ、早めに準備をしておくことです。
どのような走り方でゴールを目指すかは、さまざまな選択肢があります。贈与を繰り返していく方法や、不動産を使って一気に資産を圧縮する方法。法人を活用して、相続財産を細かく分けていくやり方……家族の置かれた状況や、相続財産の規模などさまざまな要因から選んでいく必要があります。
駅伝方式で考えるためのヒントは、本書『お金持ちのための最強の相続』の中で詳しくご紹介していますので、そちらをご参照ください。