介護を一手に引き受けた52歳長女だったが…
田中良絵さん(仮名・52歳)は、大学生と高校生の子どもを抱え、日中はパートに出るなど忙しい日々を過ごしていました。
ある日、父の死後一人暮らしをしていた79歳の母が倒れたという一報が入りました。母親は家の玄関で転倒し背中を強打。これが原因で介護が必要な状態になってしまったのです。
しかし、母は施設ではなくどうしても自宅で生活したいと言い張ります。そこで良絵さんは2歳下の妹、美代さんに相談することにしました。
妹は母の家のすぐ近くで一人暮らしをしています。フリーランスで在宅の仕事をしていますが、収入が安定せず母からお金を度々お金をもらい、ちゃっかりそのお金で旅行に行くなど、昔から甘え癖がある性格でした。そういった話を聞くたびに、良絵さんはもやもやと微妙な感情を抱えていたといいます。
そんな妹に、半々で母の介護をしないかと提案した良絵さん。しかし妹はそれを軽く断ってきました。自分は独り身で誰も助けてくれないから、仕事の時間は削れない。夫がいる良絵さんが面倒を見るべきだというのです。
あれだけ甘えてと呆れたものの、良絵さんは責任感の強さもあり、自分一人で母の介護をする決意を固めました。
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