戦争によって金価格が「下落」するケースも…その原因とは
■ロシア・ウクライナ紛争(2014年、2022年)
ロシアとウクライナの紛争は2014年に始まり、とくにクリミア併合とドンバス地方での紛争が続きました。2022年にはロシアがウクライナに対して全面的な侵攻を開始し、これにより世界中で地政学的リスクが急増しました。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻が始まると、金の価格は急騰しています。ロシア・ウクライナ紛争の事例では、エネルギー市場の混乱と、経済制裁による国際的な経済不安が金の価格に影響しました。エネルギー供給の不安定化や広範な経済制裁の導入によって、金の価格を押し上げる要因となったのです。
とくに2022年の侵攻開始時(直後)には、投資家がリスク回避のために大量の金を購入し、その結果、金の価格は歴史的な高値を記録しました。この事例では、地政学的リスク・戦争の勃発が金市場に対して強力な影響を与えうることがわかります。
反対に、戦争によって金の価格が下落した事例もご紹介します。
■湾岸戦争(1990年-1991年)
1990年8月、イラクがクウェートに侵攻し、湾岸戦争が勃発しました。アメリカを中心とする多国籍軍が介入し、1991年1月に大規模な軍事行動が開始されました。この戦争は比較的短期間で終結し、クウェートは解放されました。
グラフから湾岸戦争勃発時には、金の価格が一時的に上昇しましたが、戦争が短期間で終結し、金の価格は逆に下落していることがわかると思います。
湾岸戦争は、非常に短期間で終了し、多国籍軍が迅速に勝利したため、市場に安心感が広がりました。この安心感は、金をリスク回避の手段として購入していた投資家が再びリスク資産に資金を移すきっかけとなり、金の価格が逆に侵攻開始直前よりも下落しました。
また、多国籍軍の勝利が確定的になると、原油価格が安定し、インフレ懸念が後退したことも金価格の下落に寄与しました。
菊地 温以
株式会社アプレ代表取締役
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