(※写真はイメージです/PIXTA)

「会社のカネは俺のカネ」と考えている“よからぬ経営者”がやりがちなのが「経費の使い込み」。一口に経費の使い込みといっても、多岐にわたる手法があります。そして、発覚した際の処罰の内容もさまざまです。今回、経営者による経費の使い込みの手法と防止策について、税理士法人松本が詳しく解説します。

社長による経費使い込みの事例

社長の経費使い込みの事例については、以下の4つが挙げられます。

 

・接待交際費の不正計上

・架空請求

・交通費の不正受給

・出張費の不正受給

 

それぞれの事例について解説していきます。

 

接待交際費の不正計上

会計処理において、本来は接待交際費として認められない飲食代などを取引先との接待で発生した費用として計上する手法です。例えば、社員同士のミーティングを接待費用として処理するケースが一般的です。

 

また、飲食店側との信頼関係を利用し、日付や金額、宛名が未記入の領収書を受け取り、それを不正に経費として申告するケースもあります。

 

さらに、顧客や取引先との接待にかかった費用を、実際よりも多く請求する事例も少なくありません。特に接待での飲食代金は、企業側が具体的な注文内容や料理の詳細を正確に把握しにくいことから、請求額が実際の支出よりも膨らむことが頻繁に起こりやすいといえます。

 

架空請求

実際には支出していないにもかかわらず、架空の領収書などを提出してお金を受け取る手法です。

 

領収書を偽造する手段のほかにも、クレジットカードで一度決済を行い、その利用明細をもとに経費を申請したあと、すぐに決済を取り消すといった悪質な手口もあります。

 

また、実際には出張していないのに出張費を申請するような場合も該当します。

 

交通費の不正受給

経費の不正計上において、特に典型的な例として挙げられるのが交通費に関する不正受給です。例えば、バス通勤の申請をしておきながら、実際には電車や徒歩などでより安価な手段で通勤していたり、私用で利用したタクシー代を業務上の交通費として偽って申請したりするケースがあります。

 

このように、交通費の不正受給は、発覚しにくいものの、企業にとって大きな損失をもたらす行為です。

 

出張費の不正受給

出張費に関しても、不正が起こりやすいシチュエーションといえます。例えば、往復の交通費だけでなく、宿泊が伴う場合にはホテル代においても不正が発生することがあります。よくあるケースとして「架空出張」というものがあり、実際には出張していないにもかかわらず、出張したことにして経費を申請する手口です。

 

出張にかかる費用は通常高額になることが多いため、企業が詳細な監視を行うのが難しい状況が、不正行為を助長しやすい環境を生み出しています。

 

さらに悪質な例として、取引先のホテルや飲食店と共謀し、虚偽の領収書を作成してもらうケースがあります。

 

また、自分のクレジットカードで決済後、領収書を会社に提出した後で、そのクレジット決済を取り消し、返金を受けるといった手法も見受けられます。

 

これにより、企業にとって出張関連の不正利用は重大なリスクとなります。

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