(※写真はイメージです/PIXTA)

4人家族の大黒柱である山田さん(仮名)。高校生・大学生の子を持ち、家計が厳しくなるなか、遠い田舎に住む母からも連絡がやってきます。いざというとき、どうしたらいいのか? 地方自治体が提供する公的支援制度とともに見ていきます。

「生活保護の申請」と「介護サービスの利用」

山田さんは両親の状況を改善するため、公的支援制度を活用することを真剣に考え始めます。そこで、地方自治体が提供する高齢者支援制度や生活保護について詳しく知ることにしました。

 

まず、両親が住む自治体の福祉事務所に連絡を取り、相談の予約を入れました。予約の日、山田さんは両親とともに福祉事務所を訪れ、担当のケースワーカーに状況を詳しく説明しました。父親の脳梗塞の後遺症や母親の介護疲れ、そして経済的な困窮について話すと、ケースワーカーは親身になって話を聞いてくれました。

 

ケースワーカーは、山田さんの両親が生活保護の対象になる可能性があると判断しました。生活保護は、最低限度の生活を保障するための制度であり、高齢者や障害者、病気や失業などで生活に困窮する人々を支援するものです。

 

申請手続きには、詳細な生活状況や収入・資産の確認が必要ですが、山田さんは必要書類を集める手伝いをしました。父親の障害者手帳や医療証明書、家計簿や銀行の預金通帳などを準備し、福祉事務所に提出しました。申請書類を提出すると、ケースワーカーは迅速に審査を進めてくれました。

 

生活保護の申請と並行して、山田さんは両親のために介護サービスの利用も検討しました。地域包括支援センターを通じて、ケアマネージャーと連絡を取り、介護保険の適用範囲について相談しました。ケアマネージャーは、父親の状態を評価し、適切なサービスプランを提案してくれました。

 

具体的には、訪問介護やデイサービス、短期入所施設の利用が考えられました。これらのサービスを利用することで、母親の介護負担を軽減し、父親も専門的なケアを受けることができます。介護保険の利用には自己負担もありますが、生活保護が認められれば、その負担も大幅に軽減されることがわかりました。

 

生活保護の申請から約1ヵ月後、山田さんの両親は無事に生活保護の受給が決定しました。毎月の生活費が支給されるようになり、経済的な不安が一気に解消されました。加えて、医療費や介護サービスの費用も一部または全額が補助されるため、両親の生活は大きく改善されました。

 

母親は、生活保護を受けることに最初は抵抗を感じていましたが、山田さんが「これは一時的なサポートであり、これから頑張るための時間を稼ぐためのものだ」と説得しました。母親も納得し、安心して支援を受け入れることができました。

 

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