「家賃5万円のマンションで独居」「遺族年金が年60万円」…単身高齢者たちが明かすそれぞれの「金銭事情」

「家賃5万円のマンションで独居」「遺族年金が年60万円」…単身高齢者たちが明かすそれぞれの「金銭事情」
(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化の進んだ日本社会。多くの人々が年金を受給する生活に移行しています。「配偶者なし世帯」の年金受給者は全体の35.0%を占めており、そのうち単身世帯は19.2%に達しています。単身で暮らす年金受給者の収入や支出、住居の実態を見ていきましょう。

年金受給者の年間収入・支出額

定年退職を迎え年金生活を送っている田中さん(仮名/72歳・男性)。年間収入は約220万円で、年間支出は約140万円です。持ち家に住んでおり、家賃の負担がないため、比較的余裕のある生活を送っています。

 

厚生労働省『年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年』によると、年金受給者(男性)の支出額階級は「100〜150万円」が最も多く、その次が「150〜200万円」となっています。収入額階級は「200〜250万円」が最も多く、その次が「150〜200万円」。平均的な暮らしぶりと言えるでしょう。

 

一方、佐藤さん(仮名/70歳・女性)は、同じく年金生活を送っていますが、年間収入は約180万円で、年間支出は約110万円です。賃貸マンションに住んでおり、毎月の家賃支払いが生活費に占める割合が高いため、支出を抑えるよう工夫して暮らしています。

 

前述の調査によると、年金受給者(女性)の支出額階級は「100〜150万円」が最も多く、その次が「50〜100万円」となっています。収入額階級は「150〜200万円」が最も多く、その次が「200〜250万円」です。こちらも平均的ですが、男女では差が見られることがわかります。

住宅の種類

年金受給者の住宅の種類については、全ての世帯類型において「持ち家」の割合が最も多くなっています。配偶者あり世帯では88.3%、配偶者なし世帯では70.1%が「持ち家」であると回答しています。

 

「持ち家」を除くと、単身世帯/男性は「民間賃貸住宅」が21.6%、単身世帯/女性は「高齢者向け施設等」が11.9%で最も割合が高くなっています。

 

山田さん(仮名/75歳・男性)は、配偶者に先立たれた後、持ち家に住み続けていますが、維持費や固定資産税の負担が大きく、生活費の大部分を占めているとのこと。

 

一方、川村さん(仮名/74歳・女性)は、夫の死後に高齢者向けの施設に入居しました。施設の月々の費用が年金の範囲内で収まっており、医療や介護の面でも安心して生活できると感じているということです。

 

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