3ステップで確認 間口狭小補正率を使った土地の評価方法
例1をもとに、間口狭小補正率を使った土地の評価方法を確認しましょう。
【例1】相続した土地の面積、間口、路線価が下の図のとおりである場合の評価額はいくらか。
STEP① 地区区分の確認
間口狭小補正率を使った土地を正しく評価するためには、まず、評価する土地の地区区分(普通住宅地区、普通商業・併用住宅地区などの区分)を確認する必要があります。間口狭小補正率は、地区区分によって値が異なるからです。
地区区分は、図表8のとおり、路線価図に記載されている路線価を囲む図形で示されます。
例1では、路線価を囲む図形がないため、「普通住宅地区」であることが読み取れます。
STEP② 間口距離の計測
間口距離は、道路に接している部分の幅を計測します。例1の土地の間口距離は5mとなります。土地の広い部分の幅である18mではありません。
間口距離を計測するには、実測のほか、公的図面で計測する方法もあります。
実測は境界標が確認できることが前提になります。間口が狭いのであれば、レーザー測定器を使わなくてもメジャーで実測ができるでしょう。
公的図面には地図、公図、地積測量図があり、それぞれ法務局で取得できます。図面から間口距離を調べるには、図面上の長さから実寸がすぐにわかる三角スケールを使うと便利です。
STEP③ 間口距離を補正率表に当てはめて計算
評価する土地の地区区分と間口距離がわかれば、間口狭小補正率表で間口狭小補正率が確認できます。
例1の土地は、普通住宅地区にあって間口距離は5mであることから、間口狭小補正率は0.94と読み取れます。
土地を評価するために、まず、路線価に奥行価格補正率と間口狭小補正率をかけて、1m2あたりの評価額を計算します(奥行価格補正率は図に表示のとおり1.00とします)。
次に、1m2あたりの評価額に面積をかけて土地の評価額を求めます。
なお、例1の土地では不整形地補正率による調整も必要ですが、ここでは考慮しません。
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