(※写真はイメージです/PIXTA)

掛金が安く、持病があっても入りやすい共済。もしものときのためになにかしらの保障は必要と、加入している人も多いのではないでしょうか。一方で、入りっぱなしにしていることによって気がつきづらい、年齢が上がるにつれて発生する意外なデメリットも。本記事では、Aさんの事例とともに共済加入のメリット・デメリットについて、FPの牧元拓也氏が解説します。

共済のメリット

掛金が安い

先述のとおり、利益を求めていないこと、低コストで運用されていることから、掛金は安くなっています。

 

掛金がずっと一定である

年齢や性別に関係なく、変わらない掛金で加入することができます。民間の保険では、一般的に年齢が上がると保険料が高くなります。

 

割戻金を受け取れる

共済では1年間の決算で剰余金が生じた際には、加入者に還元されます。毎年決まって受け取れるわけではありませんが、加入者の掛金から支払った共済金と運営にかかった費用を差し引いた金額が割戻金として支払われます。加入するプランや、都道府県民共済であれば、その地域それぞれで割戻率は異なります。2023年度ですと、20%〜35%程度の都道府県が多くみられました。

 

持病があっても入りやすい

共済も民間の保険も加入する際には原則告知手続きが必要です。いままでの病気やケガについての質問に回答します。告知した内容によっては加入ができない場合もあります。共済は、民間の保険と比べて持病歴等がある方でも加入しやすい傾向にあります。

共済のデメリット

保障が85歳で終了してしまう

共済は最長で85歳までしか継続できません。また、新たに加入したい場合も69歳までしか加入できません。民間の保険会社では、一生涯保障が一般的になっており、加入年齢も85歳まで入れる会社もあります。特に病気のリスクが高まる年代になって保障が少なくなっても、貯蓄があれば心配はいらないかもしれません。ですが、老後の年金生活で貯蓄を取り崩しながら生活し、資金寿命に不安がある方にとってはより大きな不安の種を生みかねません。

 

年齢が上がると同じ掛金で保障額が小さくなってしまう

どの年齢でも一定の掛金で加入できますが、年齢が上がると保障額が減ってしまいます。都民共済の例でみてみましょう。下記図表は生命共済の総合保障2型(18歳〜65歳)と、熟年型(65歳〜85歳)を比較したものです。同じ月掛金2,000円でも、保障の内容には違いがあります。たとえば入院保障は60歳までは1日当たり5,000円の共済金を受け取れますが、65歳以降は2,500円、80歳以降は1,000円と5分の1になります。

 

※都道府県民共済ホームページより筆者作成 ※詳細は各都道府県民共済ホームページでご確認ください。
[図表] ※都道府県民共済ホームページより筆者作成
※詳細は各都道府県民共済ホームページでご確認ください。

 

死亡保障が小さい

たとえば60歳までの年齢でみると、病気死亡の場合の共済金は400万円です。もし年収が400万円以上の方で家族を扶養している方ですと、残された家族の生活を守るには少ない可能性があります。

 

引越をした場合は割戻率が変更になる

都道府県民共済は、引っ越しをした場合は手続きが必要です。県をまたぐ引っ越しをした場合も基本的に補償内容は変わらないので、継続して加入することが可能です。ですが、共済の決算は都道府県ごとに行われますので、共済金の割戻金が変わります。そのため実質の保険料負担は都道府県ごとによって異なります。

 

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