生成AIの進化。多様化する活用ニーズ
企業向けクラウドや生成AI(人工知能)サービスを手掛けるFIXERは、日本企業の社員を対象としたアンケート調査を実施した。「生成AIでどんなことができたら良いか」と聞いたところ、「文章作成」が6割近くを占め、最も多かった(複数回答)。2番目に多かったのは「パワーポイントなど資料の自動作成」で4割程度を占めた。
進化の著しい生成AIは文章生成だけでなく、資料や動画像の作成など多くの能力を持つようになっている。これに応じて、利用者の生成AIへの期待や具体的な活用法も多様化していきそうだ。
秘書業務から営業活動まで……社員が期待する活用シーン
調査はFIXERが全国の従業員300人以上の企業の社員を対象に6月6~7日に実施し、1000件の有効回答を得た。情報・通信のほか、金融・保険、不動産、流通・小売りなどの企業が対象となった。
アンケートで「生成AIでどのようなことができたら良いか」と質問したところ、最も多かったのは「文章作成」で57.3%だった。「パワーポイントなどの資料の自動生成」(42.1%)、「高品質な動画、画像の生成」(26%)が続いた。生成AIはすでに文章だけでなく、資料や画像なども自動生成できるようになっている。
次に多かったのは「人間とそん色ないレベルの会話」で23.3%、「自分専属の秘書としてのサポート」も22.2%に達した。すでに会話できる生成AIも登場しており、近い将来はこうした要望も達成する可能性がありそうだ。このほか、「営業活動」(12.6%)、「SNSの自動更新」(12%)といった要望もあった。生成AIがこうした業務の一部をできるようになれば、人間はより高度な業務や顧客へのきめ細やかな対応に時間を使えるようになる。
業務での利用は「文章の要約」が半数近く
生成AIを利用している人を対象に、アンケートで「どのような業務で利用しているか」と聞いたところ、「文章の要約」で45.7%だった(複数回答)。「文章のチェック」も39.1%と文章作成に関連する回答が全体の約4割に達した。「情報収集・調査」も40.4%にのぼり、生成AIを検索サービスの代わりに使っている様子がうかがえた。
「企画書の作成」(28.5%)、「稟議書の作成」(23.8%)、「稟議書、企画書以外の文書の作成」(25.2%)などの回答も2割以上の比率を占めた。「アイデア出し」との答えも27.8%に達した。こうした回答からは、会社員がすでに実務の一部を生成AIで代替していることが推測される。「エクセルの関数やコードの生成」(17.2%)、「動画、画像の生成」(10.6%)との回答もあった。
生成AIの活用が進むことで、企業の業務効率化はますます加速し、社員はより戦略的で創造的なタスクに注力できる環境が整っていくと期待される。文章作成や資料作成、アイデア出しから動画生成まで多岐にわたる生成AIの可能性が、ビジネスの現場に新たな価値を提供し続けるだろう。
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