実際に株価が急落するまでの猶予期間に現金化を考える
もちろん、逃れられるか、逃れられないかは、ひとえにリーマンショックの前触れとなったサブプライムローン問題が深刻化する過程で、投資家自身が事の重大さに気付くことができるかどうかにかかってきますし、お恥ずかしい話ですが、私自身もそのことに気付くことができず、大きな損を被る結果になりました。
しかし今、冷静に当時のことを振り返ってみると、株価暴落の難を逃れるチャンスは、幾度となくあったのです。
とにかく、どこかの金融機関が潰れたというニュースが飛び込んできたら、株式のポジションを徐々に下げていきます。
ちなみにリーマンショックの時も、2008年9月にリーマン・ブラザーズが倒産する前に、金融機関のなかに経営不安に陥るところが散見されました。
2007年8月にはフランスの銀行BNPパリバが、傘下のファンドについて新規募集と解約を凍結し「パリバショック」などと言われていましたし、2008年3月にはJPモルガンが、やはりサブプライムローン問題で経営が急速に悪化したベア・スターンズを救済合併しています。
こうした事象が出てきたら、少しずつ保有している株式を売却して、30%のキャッシュを確保するようにします。
また直近では、2023年3月のシリコンバレー銀行とクレディスイスの経営破綻が記憶に新しいところですが、シリコンバレー銀行は米連邦預金保険公社の傘下になり、クレディスイスはUBSが救済合併しました。そのため、両行ともその経営破綻は大事に至ることなく、事態は収拾へと向かいました。
もちろん、自体が収拾するかどうかは、シリコンバレー銀行やクレディスイスが破綻した時点では正直、よくわからないのですが、リーマンショックの時がそうだったように、破綻という事実が顕在化してから、実際に株価が急落するまでには、短くとも1週間程度の時間的猶予はあると思います。
その間に、今回の金融機関の破綻が世界的な金融システム不安につながるのかどうかという点を熟考したうえで、ポジションを3割減らすかどうかを検討するのが肝心です。
専業投資家インフルエンサー
DAIBOUCHOU
※本記事は『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円: 10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。
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