(※写真はイメージです/PIXTA)

安定のイメージが強い公務員。定年退職したあとのセカンドライフもゆとりがあるのだろうな……多くの人はそう思いますが、意外にも生活が苦しいと訴える人が多いようです。本記事では、Aさんの事例とともに、先行き見通せぬ時代における生涯のジョブプランの必要性についてFPの川淵ゆかり氏が解説します。

老後も働くなんて…

Aさんは、老後は悠々自適の生活を送るため、しっかりとマネープランを組んで定年退職を迎えたつもりだったので、老後に働くということなど一切考えたことはありませんでした。現役時代は総務事務がほとんどで、特にこれといった資格や特技もなく、デスクワーク中心でしたから、これから身体を使った仕事などとても考えられません。

 

若いころから「公務員だから一生安泰」と思ってきましたが、老後を楽しめたのは定年退職してからはたった1年間のみ。

 

「同期の人間は親戚の会社に頼んでアルバイトを始めたと聞きましたが、私はどうしても働く気力が起きません。働くことはもともとあまり好きではないんです。贅沢をしなければなんとか暮らしていけると思いますが、いつなにが起きるかわからないと思うとお金が使えなくなりました。夫婦2人で自宅で過ごすことが多くなりましたよ。これからもこんな暮らしが続くのかと思うと気持ちが暗くなります。これからの時代は老後も働くことが当たり前の時代になっていくんでしょうね」肩を丸めて大きなため息をつくAさん。

定年後も働きたいと考える公務員が8割超

「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」によると、定年退職後も働きたいと思った人は83.3%となっており、また、定年退職後は働きたいと思わなかった人でも54.1%が収入を伴う仕事に就いている、と発表しています。

 

なお、定年退職後も働きたいと思った理由や働き続けたいと思った年齢については、次のグラフのようになっており、公務員といえども暮らしに余裕があるとはいえなくなってきていることがわかります。

 

人事院事務総局「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」より抜粋
[図表1]定年退職後も働きたいと思った理由(複数回答) 人事院事務総局「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」より抜粋

 

人事院事務総局「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」より抜粋
[図表2]定年退職後に働き続けたいと思った年齢 人事院事務総局「令和5年 退職公務員生活状況調査報告書」より抜粋


Aさん夫婦はいまはまだ60代で健康ですが、将来病気になったり介護状態になったりした場合、高齢化が進む日本ではいくらお金がかかるかわかりません。

 

団塊世代のすべてが後期高齢者になる「2025年問題」もとうとう来年になってしまいました。なにが起こるかわからない時代、老後は健康でできるだけ長く働くことが重要になります。そのためには現役時代からの準備も大事です。マネープランだけでなく、若いうちから生涯のジョブプランも考えておきましょう。

 

 

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所代表

ファイナンシャルプランナー

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

注目のセミナー情報

​​【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』

 

【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!

 

​​【事業投資】11月28日(木)開催
故障・老朽化・発電効率低下…放置している太陽光発電所をどうする!?
オムロンの手厚いサポート&最新機種の導入《投資利回り10%》継続を実現!
最後まで取りつくす《残FIT期間》収益最大化計画

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

 

※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録