24年間、安定経営を続ける「サ高住」経営者が語る、AIでは代替できない介護という仕事の魅力

24年間、安定経営を続ける「サ高住」経営者が語る、AIでは代替できない介護という仕事の魅力
(※写真はイメージです/PIXTA)

少子高齢化が進み、介護サービスを受けたい人は年々増加しているにもかかわらず、その受け皿である介護事業者は非常に厳しい経営環境に直面しています。そんな中、開業から24年間、人材不足に悩むことなく運営を続けてきた介護施設があります。一体どのようにして安定経営を実現させているのでしょうか。本記事では、デイ・サービスかなりやの代表取締役である久野佳子氏の著書『職員・利用者・地域を結ぶ ひとつなぎの介護施設』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集して、介護施設における職場環境の整え方についてご紹介します。

職場環境の良さが従業員のパフォーマンスに直結する

介護の現場では、意思の疎通が難しい利用者を相手にすることも多く、小さなサインも見逃さずにケアを行わなければなりません。

 

相手をほっとさせる笑顔や気遣いがあるかどうかで、利用者の反応は驚くほど違います。介護は人間ならではの経験知や高いコミュニケーション力、判断力が求められる仕事なのです。

 

人間関係が良好な職場では、職員同士のコミュニケーションが円滑に行われ、チームワークが強化されます。その結果、利用者へのケアの質も向上し、細かなサインを見逃さずに対応できるようになります。利用者に対する笑顔や気遣いも自然に生まれ、利用者の反応も良くなります。

 

反対に、人間関係が悪い職場では職員同士の連携が取れず、利用者との信頼関係を築くことが難しくなります。特に感情の起伏が激しい利用者から、職員が暴力や怒鳴り声、性的ないやがらせを受けることも日常的にあります。

 

しかし、そうした困った利用者も理由もなく問題行動を取るわけではありません。本人ではなく家族の意思で介護施設を利用することになった人も多く、不安やストレスを抱えているのは当然です。そのような利用者といかに信頼関係を築くのか、少なくとも職員同士のコミュニケーションが十分でない職場では、利用者との関係性を深めるのは難しいと思います。

 

より良いケアは職員同士が協力し合い、利用者の特性や病状、好みや家族関係などの情報を共有することで提供できます。チームとして対応することで、利用者のニーズに合った適切なケアを提供し、信頼関係を築くことができます。

 

利用者がどのような特性を持っているのか、障害や病気の状態はどうなのか、好きなことや嫌いなことは何か、家族関係はどうかといった情報を何げない雑談の中からキャッチし、それを職員間で共有できる良好な職場環境が従業員のパフォーマンスを向上させるのです。

 

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※本連載は、久野佳子氏の著書『職員・利用者・地域を結ぶ ひとつなぎの介護施設』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

職員・利用者・地域を結ぶ ひとつなぎの介護施設

職員・利用者・地域を結ぶ ひとつなぎの介護施設

久野 佳子

幻冬舎メディアコンサルティング

人と人、心と心をつなぐ、介護施設の新しいかたち 利用者・職員・地域から愛される介護施設に学ぶ、絆を大切にする運営とは? 超高齢社会を迎える日本において、介護の重要性はますます高まっています。しかし、介護業界…

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