増税攻勢を受ける超富裕層たちはどこへ行く?英国領のケイマン諸島、複数の住居を持つ「永遠の旅人」、分譲マンション付き豪華船で課税額に大きな違いが⁉

増税攻勢を受ける超富裕層たちはどこへ行く?英国領のケイマン諸島、複数の住居を持つ「永遠の旅人」、分譲マンション付き豪華船で課税額に大きな違いが⁉
(※写真はイメージです/PIXTA)

英国では政権交代によって超富裕層への課税強化が目前に迫っています。増税によって国外へ脱出することが想定されますが、超富裕層がどこに行くかによって納税額が変わってきます。本連載では、富裕層の国際相続の諸課題について解説します。

「永遠の旅」「分譲マンション付き豪華船」を選択した場合の納税額は?

数ヵ所の住居を所有して、これらの住居を数ヵ月ごとに移動して生活する人のことを「永遠の旅人(Perpetual Traveler)」といいます。欧州ではこの永遠の旅人が増えています。

 

国が隣接しているような欧州では、このような生活スタイルが可能になります。永遠の旅人が増えてきている理由として挙げられるのが、税法上の居住者判定の仕組みです。

 

居住者になると、全世界すべての所得がその住所地の国で課税されることになります。逆に、その国に住所あるいは居所のない非居住者になると、その国で生じた所得(国内源泉所得)のみが課税されます。要するに、居住者としての税額よりも、非居住者としての税額が少なくなるのです。

 

国税庁の見解では、「住所」とは「各人の生活の本拠」をいい、国内に「生活の本拠」があるかどうかについては、住居、職業、資産の所在、親族の居住状況、国籍等の客観的事実によって判断するとしています。

 

永遠の旅人の場合であっても、その人の生活の本拠がどこにあるのかで判断されます。

 

国税庁は具体例を公表していませんが、たとえば欧州に3ヵ国住居を所有していて、夏は北の国、冬は地中海側の国と使い分けていたとします。いずれの国でも短期の滞在ですので、非居住者となります。

 

しかし、3ヵ国のいずれかの国にある法人の株式を大量に保有し、個人の所得の大部分がこの株式に基因しているとすれば、「居住者」と判定される可能性はあります。

分譲マンション付き豪華船はどこの国で税金を納める?

観光船でありながら、船室の使用権を分譲するマンション付き豪華船が増えています。春に桜が見ごろになると、富士山の見える日本の港に寄港します。また、国際的なイベントがあると、その国の港に寄港するというものです。

 

船の場合は船籍がありますので、このような観光船はバハマあるいはアフリカのリベリアなどに登録しています。この船の権利を保有して、ここで生活する場合の住所地は、船籍の国になると主張する人が出てきても不思議ではありません。

 

米国市民の場合は、世界のどこで居住しようと米国の納税義務を免れることはできません。仮に日本人でこの船に乗っていた場合、日本の住居を処分しないのであれば、日本居住者となります。仮に、住居を処分したとしても、その所得の発生地で課税される可能性はあります。この話を某所でしたときに、「揺れない地面で暮らしたい」という反応がありました。

 

矢内一好

国際課税研究所首席研究員

 

スモールビジネスのオーナー経営者・
リモートワーカー・フリーランス向け

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