2024年8月の暴落では「悲観的になる必要がなかった」理由
2024年8月に起こった暴落は、「もしかしたらもっと下がったらどうしよう」という人々の不安心理が働いたのかもしれませんね。
たしかに8月初旬の値動きは突然で驚きましたが、何か急激な経済の変化があったわけでもなく、企業業績もそんなに悪くありませんでした。
たとえば日本株でいうと、日本経済新聞の記事によれば、上場企業の2024年4〜6月期決算は、全36業種の8割にあたる27業種の純利益が、前年同期よりも増えていました。国内の個人消費は引き続き強くはないですが、実質賃金も直近の6月から前年同月比でプラスになり、これも酷いという状態とはいえません。
またアメリカの雇用統計という指標が悪化して、アメリカの景気後退やバブル崩壊という連想をする人もいたかもしれませんが、そもそもアメリカは高い金利で経済の引き締めをしている状況なので、金利を下げて企業活動や経済活動を活発にさせる余地が大いに残っている状態でした。
どこかの大企業が破綻したとか、倒産したとか、そういった大問題やクラッシュが起こっているなら、大恐慌が起こる可能性もありますが、そうでない状態で、そう悲観的になる必要性を私は感じませんでした。
ちなみに今、私が説明した内容は、普段のニュースでも流れている情報です。
そういう背景が頭に入っていれば、今回はまず短期的な取引をする人たちが、思ったよりも値動きがあったために狼狽売りをして、それに続いて、もともと暴落を避けるために価格がある程度下がったら自動的に売るという設定をしていた、投資信託などのファンドが、価格がそこまで下がってしまったために売り続け、さらにその動きに動揺した個人も売り、市場が一時的にパニックになったということが判断できるのではないでしょうか。
たしかに、ニュースで直接的に「明日株式が暴落します」というようなことは言ってくれません。だから、ある程度ニュース(情報)の蓄積というのは必要となります。
また、普段から好奇心を持って、ニュースに接し、わからないことなどがあったら、放置しないで調べてみるといった姿勢が必要になってきます。