今回は、土地選びでは地名や周辺の自然環境に注意すべき理由について説明します。※本連載は、株式会社OKAMURA代表取締役、岡村恭資氏の著書『なりたい人だけが資産家になれる―やれば儲かる不動産の取得と売却方法教えます』(風詠社)の中から一部を抜粋し、投資用不動産の取得と売却について実践的な方法を紹介していきます。

家を建てることは避けたい「海や川」のそば

不動産に関わっていると、地名の重要性に気づきます。

 

土地の履歴は、地名で分かることが多々あります。基本的に海のそばと川のそばは絶対に家を建てる場所ではありません。

 

風光明媚だと思って建てたら崖が崩れてきました。または川のそばのせせらぎが心地よいと思って家を新築したら、増水して土手が決壊したために家が流されました。道路端の広い土地を購入して店舗を建てたら地盤が沈下して、店が傾いて大変なことになりました等々。

 

池や沼などが付いた地名は、過去にその土地に湿地帯だったことがあるわけで、十分に事前調査しないと悲惨な結果になります。いずれにしても水に関係が深いので過去の古地図で目的の場所が水の中でなかったかを注意しましょう。

 

また、谷という地名もその名のとおり、谷にあるので大雨の時には当然、雨の通り道になることを覚悟すべきです。地名が示すとおり、谷には水が集まってきます。だから谷というのです。谷に住むことはお勧めできません。

池の淵や海の中に「地番」がある場合も!?

【がけ条例】

近年制定された条例です。がけの上や下に家を建てると危険であり、十分な補強をしてもいずれそこは強度を失って崩壊する可能性があることを覚悟して購入しましょう。がけ条例のないころ、わが師匠の主な仕事はがけの上や川の淵に所有権のない土地が存在していることを発見し、裁判所に申し立てて自分の土地にしてしまうという荒業を生業としていた時代がありました。

 

年商100億円の男も最初は苦労するのです。資産家が一代で財を成した場合はある程度、合法なのかどうかの境目で商売をしてきた人が多いようです。

 

【驚きの地番】

池の淵や海の中に地番があることを発見すると嬉しいものです。

 

私もこんなところに所有者がいるのかと、びっくりしたことがありますが、所有者の子孫さえ知らないことが多々あり、海の中や池の中、川の中、がけの下なので所有者がいたとしても交渉は容易いのです。

 

利用の困難な土地ですので、二束三文です。無料(ただ)に近い土地値のもので人がたくさん住んでいるところを見つけるのは不動産業の醍醐味でもあるのです。

本連載は、2016年7月9日刊行の書籍『なりたい人だけが資産家になれる―やれば儲かる不動産の取得と売却方法教えます』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

なりたい人だけが資産家になれる―やれば儲かる不動産の取得と売却方法教えます

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岡村 恭資

風詠社

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