人材のミスマッチによって企業側が貴重な時間を浪費する
しかし、次のようなことがよく起きます。レジュメを見て「可能性がありそう」と評価して実際に面談を実行したものの、最初の3分くらいで「おや? ちょっとイメージと違うな」と感じてしまうのです。
求めているポジションと合致しない、もしくは企業が理想とする人物像とは合わないと感じて「絶対にこの人は違う」とすぐわかったとしても「弊社とは合いそうもないので結構です」と欧米のようにドライには言えません。そうなると当たり障りのない世間話をするとか、採用する気がなくても30分くらいは何とか形にしないとまずいということになりがちです。結局、貴重な時間を浪費することになるわけです。
実はこれはよくあることです。不思議なことにこういう事態は忙しい時間の谷間を縫って面談を設定したときになぜかよく起きるのです。
もしもエージェントが採用のニーズをよく理解し、厳選された候補者を推薦すれば、たとえば10人面接してやっとたどり着くフィット感のある候補者に2~3人目で遭遇する可能性が高くなってきます。そうなれば余計な時間の無駄が省かれ、効率的に時間を有効活用することができます。
同席面談は移動(現地立ち会いの場合)が必要で、人材コンサルタントも時間を割くわけですが、これをきちんとやらなければサーチファームとして仕事を全うしていないことになります。クライアントの「第二の人事部長」になるためには労力を惜しむわけにはいきません。
採用のクオリティを維持するために、コンサルタントサイドの努力はマストです。同席面談は上位のポジションになればなるほど実施される傾向にあります。クライアント企業も無駄な面接を減らすことに繋がり、貴重な30~60分を本来の業務に使うことができます。
たとえば個々のマネージャーにすれば浪費した時間は30分程度ですが、大きな会社でマネージャーが何人もいると「30分×何人」と、会社として相当の時間をロスしてしまいます。