成長投資枠で選ぶ割安銘柄の条件
ただし、株価が下がりにくいということは、逆さに捉えれば、株価が上がりにくいということでもあります。
たとえばJパワー(9513)のPBRは、2024年5月2日時点で0.41倍です。株価は2020年末を底値に上昇しているとはいえ、上昇ピッチが鈍く、2017年11月9日につけた高値、3,475円を抜けずにいます。王子ホールディングス(3861)もPBR0.59倍という割安銘柄ですが、株価は2019年から2024年5月2日まで、ボックス圏での推移となっています。
いわゆる「バリュートラップ」ですね。株価が割安な銘柄が、割安のまま放置されている状態をこのように言うのですが、東証がPBR1倍割れ企業に対して、それを改善するための勧告を出したにもかかわらず、1,500銘柄以上、PBR1倍割れの状態にある点からも、日本にはバリュートラップの銘柄が多いと考えられます。
では、私が、バリュートラップが多くても、どのような割安銘柄なら成長投資枠で投資しようと思うのかというと、株主優待銘柄です。インデックス型投資信託を上回るリターンは必要ありません。もちろん、そのくらい値上がりしてくれれば、それはそれで良いのですが、高望みはしません。
値上がり益についてはインデックス並みが実現すれば十分です。そのうえで株主優待があって、株主優待込みの総合利回り(配当利回り+優待利回り)が5%程度ある銘柄をターゲットにします。
総合利回り5%は、仮にこの銘柄が塩漬け状態になったとしても、「まあ、それでも総合利回りで5%が非課税でもらえるなら、今の金利水準に照らしてみて、十分に説明がつくだろう」という水準です。
総合利回りが毎年5%もあって、かつ自分が欲しいと思える株主優待ももらえるのであれば、成長投資枠に放り込んだままにしておいても、納得できます。ただし、1,200万円を1億2,000万円にするほどの起爆力はありません。
専業投資家インフルエンサー
DAIBOUCHOU
※本記事は『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円: 10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)の一部を抜粋しています。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。
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