熟年離婚、配偶者が死去、生活苦…老後の「もしも」の時、私たちの年金はどうなるの?【FPがQ&Aで解説】

熟年離婚、配偶者が死去、生活苦…老後の「もしも」の時、私たちの年金はどうなるの?【FPがQ&Aで解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

未来のことは誰にも分かりません。老後を迎えたあとに、もし離婚したら? 配偶者が亡くなってしまったら? 年金だけでは暮らせない状況になったら…? 本記事では、ファイナンシャルプランナー三原由紀氏による著書『定年後に後悔しないお金の大正解100』(永岡書店)から一部を抜粋・再編集し、「もしものこと」が起こったときに役立つ年金の制度内容をQ&A形式で解説します。

Q. 配偶者が亡くなった場合、年金はどうなるの?

A. 配偶者に生計が維持されていたら遺族年金がもらえます

 

配偶者が亡くなったときには、「遺族年金」を受け取れる場合があります。

 

遺族年金は、国民年金か厚生年金に加入していた、または受け取る資格のある人が亡くなったときに、亡くなった人によって生計を維持されていた配偶者や子どもなどの遺族が受け取れる年金です。

 

遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。亡くなった人の年金の納付状況や遺族年金を受け取る人の年齢・優先順位などの条件に応じて、いずれかまたは両方の年金を受給することが可能です。

 

手続きをスムーズに進めるためのポイント

遺族年金の手続きや受給権者死亡届の提出は期限内に行う必要があります。スムーズに手続きを終えられるよう、亡くなった人が加入していた年金の種類や年金番号などを前もって確認しておくとよいでしょう。

 

また、父親が亡くなった場合に、残された母親の代理として遺族年金の手続きを行うケースもあるかもしれません。その際は本人の委任状が必要となるため、忘れずに用意しましょう。
 

Q. 年金だけではやりくりできない…。どうすればいいの?

A. 基準より所得が低い年金受給者には“給付金”があります

 

所得が一定の基準より低い年金受給者は、「年金生活者支援給付金」を年金に上乗せして受け取ることができます。

 

給付額は月5,140円を基準に、納付していた期間や納めることが免除されていた期間などによって変わります。老齢年金以外の障害年金・遺族年金をもらっている期間も給付金を受け取ることが可能です。

 

また、支給要件に当てはまる場合、対象者として日本年金機構からはがきタイプの請求書が送られてきます。給付金を受け取るためには、年金生活者支援給付金請求書の提出など所定の手続きを行いましょう。

 

年金生活者支援給付金をもらってもやりくりできないときは、働いて収入を得る、持ち家があるならそれを活用して資金をつくることを検討してみましょう。

 

例えば、自己所有の不動産(土地や建物など)を担保に生活資金の貸し付けを受けられる「不動産担保型生活資金」という制度があります。詳しくは住んでいる市区町村の社会福祉協議会で相談できます。
 

 

三原 由紀
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※本連載は三原由紀氏の著書『定年後に後悔しないお金の大正解100』(永岡書店)の中から一部を抜粋し、将来のお金の悩みを解決します。

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