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「マネーブリッジ」は、楽天証券と楽天銀行の口座を連携することで利用できる6つのサービス・機能の総称です。
特に便利な機能が「自動入出金(スイープ)」で、注文時に楽天証券の口座残高が不足していても楽天銀行の口座残高から不足分を補って発注できるので、慌てて手動で入金する必要がありません。
しかし、自動入出金(スイープ)などのマネーブリッジのサービスを利用する際には、ちょっとした注意も必要です。
「マネーブリッジはおすすめと聞いたけど、気をつけることは?」
「楽天証券と楽天銀行は同時開設したほうがいい?」
「他社にもマネーブリッジのようなサービスはあるの?」
のような疑問をお持ちの方は、本記事で理解を深めてください。注意点への対処法も解説しているので、最後まで読めば、楽天証券で安心してマネーブリッジを利用できるようになります。
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1. 楽天証券の「マネーブリッジ」のメリット6つ
マネーブリッジを利用するデメリットを解説する前に、マネーブリッジでできることを簡単に説明します。すでに把握している人は読み飛ばして、「2. デメリットと対処法」に進んでください。
楽天証券と楽天銀行の口座を同時開設してマネーブリッジの設定をするメリットは、次の6つです。番号は上の図表と対応しているので、照らし合わせてご確認ください。
なお、後述するデメリットは、メリット②とメリット⑤に関する内容です。
■マネーブリッジを利用するメリット6つ
それぞれ簡単に解説します。
メリット①:楽天銀行で優遇金利が適用される
楽天銀行の通常の普通預金金利は年0.10%(税引前)ですが、楽天証券とマネーブリッジの設定をすると、残高に応じて次の優遇金利が適用されます。
- 普通預金残高が300万円以下の分:年0.18%(税引前)
- 普通預金残高が300万円を超えた分:年0.12%(税引前)
マネーブリッジの設定をして楽天銀行の普通預金口座に500万円を預けると、年間7,800円(=300万円×0.18%+200万円×0.12%)の利息がつくことになります(税引前)。
メリット②:「自動入出金(スイープ)」で資金移動が簡単になる
「自動入出金(スイープ)」は、注文時に楽天証券の口座残高が不足していても、楽天銀行の口座残高から不足分を補って自動入金してくれる機能です。
設定することにより、「証券口座にお金がなくてすぐに買付できなかった」「入金するのに時間がかかり、買うタイミングを逃した」といったリスクを減らすことができます。
ちなみに、22時になると、今度は楽天証券の余剰資金を楽天銀行に自動出金してくれます。
なお、利用時の注意点は、「デメリット①:楽天銀行の口座から引き落としできないことがある」で解説します。
メリット③:「ハッピープログラム」で楽天ポイントが貯まる
「ハッピープログラム」は楽天銀行の顧客優遇プログラムのことで、前月の楽天証券での取引内容や楽天銀行の口座の利用状況に応じて、「ベーシック」から「スーパーVIP」まで5種類の会員ステージにランク分けされます。
ステージが上がるほど楽天銀行のATM手数料の無料回数が増えたり、他行への振込手数料の無料回数が増えたりする特典があります(初回のみマネーブリッジの申し込み後に楽天銀行からエントリー要す)。
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メリット④:「残高表示サービス」
「残高表示サービス」は、楽天証券の「保有商品一覧」画面に楽天銀行の口座残高も表示してくれる機能です。
楽天証券にログインすると楽天銀行の普通預金残高も確認できるので、金融機関を楽天グループにまとめている人に特におすすめです。
メリット⑤:「投資あんしんサービス」
「投資あんしんサービス」をざっくり説明すると、信用取引をして含み損(まだ確定していない損失のこと)を抱えたときに、足りなくなったお金を楽天銀行から証券口座に自動振替してくれるサービスです。
利用時の注意点は、「デメリット②:信用取引の額が増える」で解説します。
メリット⑥:「らくらく入出金」で24時間手動で入出金が可能
「らくらく入出金」は、楽天証券と楽天銀行の間で手数料無料、原則24時間、リアルタイムで資金移動ができるサービスのことです。
メリット②で紹介した「自動入出金(スイープ)」と違って「らくらく入出金」は自分で手続きをする必要がありますが、好きなタイミングで入出金したい人にはおすすめです。
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2. 楽天証券の「マネーブリッジ」のデメリット3つと対処法
対処法と一緒に解説します。
デメリット①:楽天銀行の口座から引き落としできないことがある
メリット②でお伝えしたように、マネーブリッジの「自動入出金(スイープ)」機能は、楽天証券で株式や投資信託を買うときの不足額を楽天銀行の口座から自動入金してくれる機能です。
入金する手間が省けて便利な機能ですが、楽天銀行を決済用の口座として利用している場合には注意が必要です。
なぜなら、楽天銀行の口座残高が減ったタイミングで家賃の引き落としやクレジットカードの引き落とし日がくると、残高不足で引き落としができないケースがあるからです。
【デメリット①への対処法】
残高不足になる恐れがあるこの問題は、楽天証券の自動入出金(スイープ)設定の画面で、自動入出金時にそれぞれの口座で必ず残しておきたい金額を設定しておくことで解決できます。
楽天銀行の口座には、家賃や毎月のクレジットカードの利用額から、残しておく金額を設定しておきましょう。
また、楽天証券で投資信託や国内株式を積立買付をしている場合は、証券口座に毎月の積立額は常に残す設定にしておくと安心です。
それでも心配であれば、決済用の口座を楽天銀行とは別に用意しておくのも選択肢の一つです。
デメリット②:信用取引の額が増える
信用取引を簡単に説明すると、証券会社からお金を借りて株式を買ったり、株券を借りて売ったり(=空売り)できたりする取引のこと。証券口座の残高と保有株式の評価額を担保として、約3.3倍の金額まで株式を売買できるのが特徴です。
簡単な例をあげると、楽天証券に現金100万円を入金していると、約3.3倍の大体330万円の金額まで株式の売買ができることになります。
しかし、マネーブリッジの設定をしていると、楽天銀行の普通預金残高も信用取引の担保として評価されてしまうので注意が必要です。
たとえば、投資に使う資金として楽天証券に100万円を入金していても、楽天銀行で500万円を預金していると、合計600万円を担保として約3.3倍の1,980万円まで信用取引ができることになります。
信用取引の額が増えたことに気づかずに熱くなってトレードを繰り返すと、想像以上に損失が膨らむリスクもゼロではありません。
メリット⑤で紹介したマネーブリッジの「投資あんしんサービス」は、信用取引で含み損が出て担保が足りなくなると、楽天銀行の口座残高から楽天証券の口座に自動で入金してくれる便利なサービスです。しかし、必要以上に頼りにするのはやめましょう。
楽天銀行に預けていたお金が貯蓄目的だったとすれば、損失の穴埋めに大切なお金を使うことにもなりかねません。
【デメリット②への対処法】
信用取引の余力が大きくなってしまうこの問題は、楽天銀行の預金で使い道が決まっているお金(結婚資金やマンション購入資金の頭金など)は、普通預金ではなく定期預金にしておくことである程度は解決できます。信用取引の担保となるのは、普通預金残高だけだからです。
しかし、根本的に解決するには、信用取引口座を開設しないことが一番です。
信用取引はレバレッジを利用した上級者向けの手法で、証券会社から借金をすることで自分の実力以上の取引ができてしまいます。そのため、初心者が安易に手を出すべきではありません。信用取引口座を開設しなければ、「投資あんしんサービス」に申し込むこともありません。
デメリット③:投信積立時に楽天ポイントが付与されない
楽天証券には、投資信託の積立額を楽天カードや楽天キャッシュで決済すると楽天ポイントが付与されるサービスがあります。
しかし、マネーブリッジの自動入出金(スイープ)を利用して投資信託を積立買付する場合は、資金が移動するだけで投信積立時にポイントがつきません。
【デメリット③への対処法】
獲得ポイントを最大化するなら、投信積立時は楽天カードもしくは楽天キャッシュによるキャッシュレス決済がおすすめです。
マネーブリッジを利用した現金決済は株式取引に限定するなど、取引する商品に応じて使い分けましょう。
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■補足
これまで楽天証券で口座連携ができる銀行は楽天銀行しかありませんでした。しかし、楽天銀行のプラットフォームを利用したJR東日本グループの銀行「JRE BANK」が2024年5月に始動したことにより、新たにJRE BANKとのマネーブリッジも可能になりました(参照:楽天銀行「マネーブリッジ(銀行口座・証券口座連携サービス)」)。
サービス内容はほとんど同じですが、JRE BANKとのマネーブリッジは、メリット①の優遇金利が適用されない点にご注意ください。
3. 楽天証券の「マネーブリッジ」の設定方法
楽天証券と楽天銀行の口座を開設したら、早速マネーブリッジの設定をしていきましょう。
マネーブリッジの申し込みは楽天証券と楽天銀行のどちらからでも可能ですが、ここでは楽天証券から申し込み、自動入出金(スイープ)の設定をする流れを実際のスマホ画面を使って紹介します(流れはPCでも同じです)。
なお、毎営業日17時までにマネーブリッジの登録をすれば、原則当日中(19時以降)には自動入出金(スイープ)が利用できるようになります。
3.1. マネーブリッジを申し込む方法
楽天証券にログイン後、左上の「メニュー」をタップすると次のような一覧が表示されます。
下にスクロールすると「マネーブリッジ(銀行連携)」が表示されるので、タップしてください。
すると、設定画面が表示されるので、「申込」から画面の指示に従ってマネーブリッジの登録手続きをしてください(途中で楽天銀行の画面に移動します)。
3.2. 自動入出金(スイープ)の設定方法
マネーブリッジの申し込みをしただけでは、自動入出金(スイープ)は利用できません。
先ほどのマネーブリッジの設定画面に「自動入出金(証券⇔銀行)設定状況」の項目があるので、「設定する」から手続きをしてください(筆者は設定済みなので、画像では「設定済」と表示されています)。
なお、自動入出金時に残す金額もこの画面から設定できます。
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4.「楽天証券のマネーブリッジ」と「SBI証券の銀行連携サービス」を比較
楽天証券の競合にあたるSBI証券でも口座連携サービスを実施しており、同じSBIグループの「住信SBIネット銀行」と「SBI新生銀行」のどちらか一方と連携できます。
マネーブリッジを含めた、3つの銀行連携サービスを比較したのが次の表です。
■楽天証券とSBI証券の銀行連携サービスの比較表
それぞれどんな人におすすめか、ポイントを解説します。
4.1.「マネーブリッジ」がおすすめの人
楽天証券×楽天銀行の「マネーブリッジ」は、株式や投資信託などの買付代金の不足分を自動で入金してくれます。銀行の優遇金利は、住信SBIネット銀行とSBI新生銀行の間くらい。
マネーブリッジは、楽天経済圏で楽天グループのサービスを活用して楽天ポイントを貯めている人におすすめです。
4.2.「SBIハイブリッド預金」がおすすめの人
SBI証券×住信SBIネット銀行の「SBIハイブリッド預金(預り金自動スィープサービス)」では、住信SBIネット銀行にあるSBIハイブリッド預金の残高をSBI証券の買付余力に反映してくれます。
ただし、一般的な円普通預金口座にあたる「代表口座」とは別に「SBIハイブリッド預金」という箱があり、代表口座からSBIハイブリッド預金へは手動で振替をする必要があります(自動振替も可)。
SBIハイブリッド預金は、SBI証券で積極的に取引を行う人に特におすすめです。
4.3.「SBI新生コネクト」がおすすめの人
SBI証券×SBI新生銀行の「SBI新生コネクト」でSBI証券に自動入金できるのは、(現金決済による)投信積立の設定金額のみとなっています。
SBI証券で株式等の買付するときに残高が不足している場合は、手動で入金する必要があります。
ただし、SBI新生コネクトを設定するとSBI新生銀行の最上位ステージ「ダイヤモンドステージ」が無条件で適用され、円普通預金の金利が年0.3%(税引前)にアップしたり、提携コンビニATMの利用手数料が何回でも無料になったり、様々なメリットを受けられます。
そのため、SBI新生コネクトは現金決済による投信積立がメインの人や、SBI新生銀行を貯蓄用口座として活用したい人に特におすすめです。
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5. 楽天証券と楽天銀行は同時開設がおすすめ!マネーブリッジキャンペーン
■キャンペーンの概要
概要 |
楽天銀行の口座を開設して条件を達成すると、最大2,000円の現金がもらえる |
実施期間 |
2024年8月30日(金)~10月31日(木) ※継続開催 |
参加方法
※順番は |
1. 楽天証券と楽天銀行の口座を開設する(10月31日まで) 2. エントリーする(11月29日まで) 3. マネーブリッジ(自動入出金)の登録をする(11月29日まで) 4. 楽天銀行に合計10,000円以上を入金(11月29日まで) |
補足 (注意点) |
・エントリー要す ・楽天証券の口座を持っている人もOK ・現金の付与は2025年1月下旬 |
マネーブリッジキャンペーンに参加するには、楽天銀行の口座を開設し、楽天証券の口座と連携します。そして、「自動入出金(スイープ)」の設定をすると、まずは現金1,000円を獲得できます(キャンペーン①)。
さらに、楽天銀行に「ATMから入金」または「他行から振込」で合計10,000円以上を入金すると、追加で現金1,000円がもらえます(キャンペーン②)。
楽天証券と楽天銀行の口座を同時開設して、現金2,000円を確実に受け取りましょう。
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6. よくある質問
最後に、マネーブリッジに関するよくある質問に5つ回答します。本文と重複する内容もありますが、復習のためにお役立てください。
Q1. マネーブリッジの入出金時に手数料はかかりますか?
マネーブリッジの「自動入出金(スイープ)」による入出金時の手数料は無料です。
また、マネーブリッジを申し込むときの手数料や年会費もありません。
Q2. マネーブリッジの登録だけすることもできますか?
今すぐ楽天証券で取引をしなくても、マネーブリッジの登録だけすることも可能です。登録だけの場合、楽天銀行で優遇金利も適用されます。
なお、月末までにマネーブリッジの申し込みが完了していれば、翌月から優遇金利が適用されます。
Q3.「楽天カード決済」と「マネーブリッジによる決済」は併用できますか?
「楽天カード決済」と「マネーブリッジによる決済」は併用可能です。
投信積立は楽天カード決済、株式取引はマネーブリッジを利用した現金決済のように、取引する商品によって使い分ける方法も選択肢の一つです。
Q4. 新NISAでは「楽天カード決済」と「マネーブリッジによる決済」はどっちがお得ですか?
新NISAに限らず、マネーブリッジの自動入出金(スイープ)を利用した現金決済では投信積立時にポイントがつきません。
そのため、投資信託の積立買付をするなら、楽天カード決済もしくは楽天キャッシュ決済のほうが積立額に対して楽天ポイントが付与されるので、ポイント還元の面ではお得といえます。
Q5. マネーブリッジをやめるときの解除方法を教えてください。
マネーブリッジを解除するには、ログイン後のマネーブリッジのメニューから「設定状況」を確認し、「解除する」を選択します。
7. まとめ
この記事では、楽天証券と楽天銀行の口座連携サービス「マネーブリッジ」のデメリットを中心に解説しました。
マネーブリッジは注意点を把握して適切な設定をしておけば、入出金がスムーズになり取引の利便性を高めてくれるおすすめのサービスです。
楽天証券を資産形成のメイン口座にするなら、楽天銀行の口座も同時開設して賢く資産運用に取り組みましょう。
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