入居者の迷惑行為に悩むオーナーは少なくありません。放っておくと、ほかの入居者が退去する、物件を荒らされる、内見に来た入居希望者に逃げられるといった悪影響も。そこで今回は、現役不動産投資家である不動産鑑定士兼税理士の沖田豊明氏が自身の賃貸経営を行ううえで、遭遇した迷惑入居者の事例を紹介します。
証拠を掴むために悪戦苦闘
こうした迷惑行為には証拠がなければそれ相応の対処をすることができません。初期対応として、共有スペースの掲示板に「迷惑行為による苦情が発生しているため、気を付けましょう」という趣旨の張り紙をしました。
しかし、それでもA氏の迷惑行為は一向に改善することはありませんでした。結局、唯一残っていたA氏の左隣の部屋に住む入居者も退去してしまいます。
困り果てた筆者は、なんとか証拠を掴もうと、管理会社の担当者から一度A氏に連絡をしてもらいました。
担当者「上の階がうるさいようですけれど大丈夫ですか?」
A氏「私も上がうるさくて迷惑している」
担当者「いや、実はもう上の階に人はいません。おかしくないでしょうか?」
A氏「あれ、そうだったのかな」
このようにA氏はしらをきり続けるため、確信犯だと思いました。
泣き寝入り
知り合いの弁護士に相談しましたが、やはり、こうしたケースでは現行犯で証拠を掴むしかないそうです。しかし、現実的に考えて写真を撮るなどは無理な話でしょう。諦めるしかありませんでした。
結局、今回のケースでは「バレてるな」とA氏は心理的に不安に思ったようで、その後は少し大人しくなってくれました。
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連載入口戦略から出口戦略まで完全網羅「堅実なアパート経営」のススメ
沖田不動産鑑定士・税理士事務所
不動産鑑定士
税理士
行政書士
平成11年に埼玉県川口市において、不動産オーナー様が安心して相続・不動産賃貸業ができるようにサポートすることを使命に不動産税務の専門事務所を開設。
不動産投資家系オーナーの顧問先に対し、税務面のみならず、不動産鑑定士の専門知識を活かして、投資物件に対する購入アドバイスを行っている。また、不動産投資において、購入後プラスのキャシュフロー運営を続けることが最も重要であるとの認識のもと、賃貸経営の資金管理を中心に経営全体のサポートも行っている。
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