職場で高い知見や優れた能力を発揮し続けた人が「顧問」に就任するというケースは多々あります。しかし、顧問として現場で大活躍したという話はなかなか聞く機会がありません。現場で求められ活躍できる顧問になるには、どのような働きをすべきなのでしょうか。今回は、東京エグゼクティブ・サーチ(TESCO)の代表取締役社長・福留拓人氏が、Aさんの事例とともに、顧問の「理想の姿」について解説します。
3年間で数百億円の売上増・想定外の倒産危機も回避…「超レジェンド級顧問」の事例から学ぶ、現場が認める顧問の働き方【プロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

現場が顧問を認めるハードルは高いが、不可能ではない

いかがでしょうか。これが顧問の真骨頂というものです。顧問という役職の理想形のひとつともいえるでしょう。Aさんのケースは、ほかでは見られないスーパースターの物語だったかもしれません。

 

しかし言い方を変えれば「ここまでやらなければ現場は顧問を認めない」という事例でもあります。社員は、基本的に外から来た得体の知れない人の言うことは聞きません。実際に色々なことを手取り足取り教わり、自分たちの会社の経営陣からは出てこない視点やメソッドを知り、知るだけでなく二人三脚で取り組み、自分たちの成長を実感し、また自分たちが結果を出せるということを理解する……こうしたことがあると人は初めて顧問の存在を認め、自発的に動くようになるのです。

 

このエピソードでは、Aさんが社長に匹敵する働きをしていることがわかるでしょう。世のなかにはこういう顧問が実際に存在するということを、ぜひ認識しておいてほしいと思います。顧問という存在が大活躍するヒーローズ・ストーリーは遠い世界の話ではなく、現実にあり得るのだということです。

 

 

福留 拓人

東京エグゼクティブ・サーチ株式会社

代表取締役社長