未来予測には「独自に情報分析する」ノウハウが必要
投資を行うとき、経済や金融の知識はもちろん必要です。しかしながら、そうした知識をせっせと勉強しても、投資で成功することはできません。なぜなら、投資で勝利を収めるためには、他の人に先んじて、「明日起こる出来事」をあらかじめ予測できないといけないからです。
その確率が高い人ほど、限りなく勝利に近づくことができます。つまり、自分なりの情報収集、情報分析から未来を予測するノウハウを持っていることが、プロフェッショナルの条件なのです。
では、一般の人が未来予測をするために手に入れるべきものは何でしょうか。
最も大切なのは、独自の情報分析をするためのノウハウを持つことです。独自の情報分析によって、投資頭脳を磨くことができます。優れた投資頭脳を持った人がいい情報を手に入れることによって、いい投資戦略ができるということになります。いい情報を手に入れることなく、いい投資戦略を持つことは不可能です。もちろん、未来予測は簡単にできることではありません。
いい情報を掴めるかどうかは「住むところ」で決まる!?
しかし、私の著書、『一生お金に困らない「未来予測」の技術』の中でできるだけ具体的にお話ししているので、それに取り組めば誰でもプロフェッショナルに近づくことはできます。
独自の情報分析から始まる未来予測のノウハウ、その一番先頭にある「いい情報」は、どこで手に入れられるのでしょうか。答えは、おそらく想像以上にシンプルなことです。いい情報が手に入れられるかどうか。それは、「住むところ」で決まります。つまり、場所が大事であるということです。
なぜ中国では山間部から沿海部に人々が移住するのでしょうか。
なぜ地方と東京では貧富の差が拡大するのでしょうか。
なぜシリコンバレーに人が集まるのでしょうか。
いい情報は、ただ待っていてもやって来ません。いい場所に住み、いい人に出会うことによってのみ手に入れることができるのです。
根拠を説明しましょう。私が大和証券の難波支店に配属されたのは偶然です。しかし、証券マンとしては最高の場所でした。大学を卒業したばかりの私がそのことを知っていれば、おそらく最初から望んで難波支店に行ったでしょう。大和証券の人事部にこう言ったはずです。
「営業成績トップの人がいる支店に配属してください」
いい場所には必ずいい情報がある。これがまず一つです。そういう考えをもっているところに、ある本が出版されました。アメリカの経済学者エンリコ・モレッティという人が書いた『年収は「住むところ」で決まる』(プレジデント社)という本です。私のインスピレーションにピタッとはまったので、思わず買ってしまいました。この本を読んで連想したことは、上述の著書の第六章で詳しくお話ししています。
もし本連載をお読みいただいている読者のみなさんが、そういう意味で場所の悪いところに住んでいるのであれば、すぐに変える必要があります。私は、これからの時代は、ひとところにとどまるよりも転職したり、海外に移住したり、引っ越したほうが幸運が訪れると思います。今の場所でお金持ちになっていない人は、このままじっとしていてもお金持ちにはなれないと考えたほうがいいと思います。
そのためにも、未来予測が必要なのです。未来が予測できなければ、場所を変えるために動くことが怖くなってしまいます。闇雲に動いても、路頭に迷うだけです。いい情報をもっていない人が闇雲に動くと、さらに奈落の底に落ちていってしまうのが関の山です。大切なのは、未来予測をするためのいい情報をいかに手に入れるかということなのです。