低コストが魅力の「ネット証券」
証券取引所は、魚でいえば築地市場のようなものだと説明しました。私たちは魚を買うとき、市場で買うのではなく、多くの場合はスーパーなどの小売店で買うでしょう。株も同じで、株を買うための小売店が証券会社なのです。
証券会社は大手から地場証券会社(地域に根づいた証券会社)、そしてネット証券会社と多岐にわたります。株を買うには、銀行口座と同じように、証券会社にも証券口座を開く必要があるので、まずは証券会社選びから始めましょう。
はじめにオンライン証券か、窓口の証券会社にするかを決めます。証券会社には、店舗を持たないインターネットのみの証券会社(以下、ネット証券)と、店舗を持って営業している店舗型証券(以下、店舗証券)があります。
ネット証券のほうが店舗を持たない分、低コストで営業できるため、手数料などが安く設定されています。また、店舗証券のなかにもネットで売買できるコースを併用している場合もあります。
ただし、インターネットが苦手、営業担当者に相談しながら投資をしたい、などという人は店舗証券がよいでしょう。
複数の会社で口座を開設し、自分に合う会社を選ぶ手も
実のところ、自身の投資スタイルが決まっていないと、証券会社選びは決めかねるところがあります。
そこで、まず手始めに手数料の安いネット証券を選んでみましょう。手数料も、取引額が小さい投資家が得になるような証券会社や、大口の投資家が有利になるような証券会社など、会社により手数料の安さにも差があります。
資金が少ない投資家にとって有利なのは、SBI証券(10万円まで103円)やマネックス証券(10万円まで手数料108円)です。このほか、カブドットコム証券では、中高年や女性といった、特定の条件を満たせば手数料が割引になる制度(「シニア割引」・「女子割」)もあります。
手数料のほかにも、証券会社が提供しているサービスを比較するのも大切です。ホームページが見やすい、ツールが使いやすい、アナリストレポート(アナリストが分析した騰落の予想)などの投資情報が豊富など、それぞれの証券会社によって、独自のサービスを展開しているので、よく見比べてみましょう。
証券会社の口座は銀行と同じで、複数の会社に口座を開設することができます。証券会社のほとんどは、口座開設は無料です。しかも、口座を開設するだけで、実際の売買がなくても、ツールや投資情報を無料で利用できる会社も多くあります。
そこで、迷ったら、証券会社は一つに絞らず、まずは口座を開設し、そこからもっとも自分に合ったところを決めるのがよいでしょう。