「目的」に合わせて投資スタイルを決める
株取引を続けていくうちに、自分の投資のスタイルがはっきりしてくるでしょう。ただ、最初は投資スタイルといわれてもピンと来ないと思います。では、どのような投資スタイルがあるのでしょうか。
まずは目的によるスタイルの違いです。株は売って儲けるものというイメージが強くありますが、それは「売買益」のことです。実は、そのほかにも配当金や優待品を目当てに投資する方法もあります。
買ってから売るまでの時間は、大きく「長期」と「短期」に分けることが一般的です。長期は1年以上、短期はデイトレード(1日)やスイング(1週間から1カ月程度)があります。スイングは、その間をとって「中期」とする人もいます。
どのタイミングで売買すればよいかは、「長期投資」か「短期投資」かにより変わります。
なお、売買は証券取引所の開いている時間帯に可能になります。国内の上場株式は、東京証券取引所で取引されています。売買取引(立会時間)の時間は、午前(前場)が9時〜11時30分、午後(後場)は12時30分〜15時です。
ただし、ネット証券の多くは、注文だけならば何時でも受付けてくれます。昼間、仕事で売買できなくても、夜や早朝に注文を入れることも可能です。
同じ銘柄でも、売買時期が変わるだけで利益に差が…
初心者のなかには、銘柄選びのコツを知りたいという人もいるでしょう。しかしお宝銘柄を教えてもらっても、儲からない人もなかにはいます。株取引が難しいのは、同じ銘柄でも売買のタイミングにより、儲かったり、損したりと利益が異なる点です。
下記の図表は、エナリス(6079)という銘柄の株価の動きを示したものです。エナリスは、省エネ管理や太陽光発電に関する事業を展開している会社です。2013年に上場した当初は太陽光発電など、話題のエネルギー関連の会社ということで、投資家の間で大いに注目が集まりました。
そして、上場のとき717円だった株価は、約2週間で2578円(※)、3倍以上も上昇。ところが、その後、株価は下がり続け、2015年8月には172円まで下がりました。エナリスは上場と同時に買い、2週間で売った人は大儲け。ところが、売らずに2年近く持ち続けた人は大損しています。このように、同じ銘柄でも売買時期が変わるだけで、大儲けする銘柄にも、大損する銘柄にも変わります。
(※)グラフは月ごとの終値の推移を示しており39 、高値(ここでは2578円)は表示されていません。