ボロボロの靴をはき…貧乏人だった過去
お金を増やす、投資で成功する。これで大切なのは、「一歩、前に踏み出す」ということです。マンション投資、株式投資、そのほか、リスクはあるが、チャンスもあることに、不安はあるがとりあえず挑戦する。その前向きの姿勢がないと、何も起こりません。
少し、興味があるという考えがあれば、とりあえずやってみるというのが、大切な姿勢です。私は、もともとは貧乏人です。妻と結婚する前にはいていた靴はボロボロでした。
それでも、気持ちで押しまくり、3年間付き合ってゴールしました。何しろ、高校からのマドンナでもてまくっていましたので、「なんで、あいつと結婚するんだ」というような嫉妬と、あわよくばと、人妻なのに近寄ってくる同級生は少なくはなかった。
この本を書いている時点で、妻を亡くして23年余り。最近、点と点がつながり、妻に関する不安を持っています。でも、「不倫の時効」は3年。いまさらという気持ちもありますが、なんだかやるせない気持ちは絶えません。しかし、その妻には、多少の汚点はあるものの、多くのチャンスをもらいました。
本の年収は1,500万円。会社ではパワハラ、差別の毎日……
私は、もとはと言えば、政党機関紙の新聞記者。もともと文章を書くのは好きなので、文化放送から転職して23年。
新聞のコラムの常連であり、記事を書く速度はずば抜けていました。しかし、その職場は「パワハラ全盛」。出来ないやつでも、ゴマをすれば出世し、ゴマすりが下手なものは冷や水を浴びせられる。そんな会社で、私は次第にモチベーションを失い、精神的に落ち込み、不整脈の発作で苦しむようになりました。
そんな時に、妻の人脈で著作の下請けみたいなアルバイトが舞い込み、目次作りから、本を書く代行へと経験を積み、「本が書けるんだ」という自信を身につけるようになりました。
ただ、本一冊を書いても、編集プロダクションを通せば、代金は10万円。直に著作を書けばどうなのかと、関係の版元に連絡したところ、出版が可能な内容であれば最低でも30万円と聞き、ダメもとで売り込みました。
当時は、ノウハウの本では難しい理経書が多く、分かりやすい本は皆無。そこで、私は入門、やさしさに特化して書いたところ、重版となり、売れ行きが順調、他の版元にも売り込めました。
その時(退職後)の本の年収は1,500万円(副業禁止の時代、今は時効)、心に傷を負うサラリーマンとしての給与は部長職でも700万円でした。それに加えて、トップからは相変わらず、パワハラ、差別の毎日。 突然の心臓発作で、救急車のお世話になることが増えました。
そこで、妻からは「会社を辞めて、自分の好きな仕事で食べればよい」との後押し。「本を書く仕事は水物、将来の保証はないよ」この私の意見に対して「いいから、やめなさい」。
お金の哲学「逆境をプラスに」
その後は、フリーの作家の道を歩んだが、年収は2,000万円、5,000万円と増えていきました(5,000万円はバブルの頂点の時期)。妻子を抱えた身では悲しませられない、という私のモチベーションで、本はもちろん、不動産セミナー、地方講演と仕事を増やし、「経済評論家」としての道を歩みました。その発端が、マドンナ人妻、私の愛妻でした。
しかも、脱サラしてからは、体調も良くなり、心臓の発作も少なくなりました。「好きなこと、得意なことで生きていく」これが、収入を増やす重要なポイントです。今では、開業、独立が当たり前ですが、「養ってもらう」「ベースアップを期待する」だけでは、人間として多くの飛躍は望めません。
もちろん、企業で力を発揮する人は多いし、それは否定しません。むしろ、向いている人は応援したいです。私が、85歳でも現役で稼ぎ、多くのファンをかかえて、投資家へのアドバイスの道を歩んでいるのは、「職場のパワハラ、妻の後押し」が要因でした。
逆境をプラスに。これは重要な「お金の哲学」の基本です。
石井 勝利
投資家
経済評論家
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