「億超えマンション」東京・大阪など都市部で急騰の背景
最近、東京、大阪など、大都市のマンションの高騰がすさまじく、億単位の物件が当たり前になっています。
バブルかどうかは結論づけられませんが、買主が、日本人だけではなく、円安も重なって、日本の不動産物件の取得が一種の投資にもなっているので、買主は、海外の富裕層、投資家も参戦していて、日本の実需のサラリーマンなどは、追い付いていけません。
しかし、マイホームは欲しいので、都心部では、億を超えるファミリーマンションが飛ぶように売れています。夫婦の家族が住む場合、夫だけの年収でローンを借りるには限度があります。
危ない「ペアローン」に潜むリスク
そこで、銀行が目を付けたのは、夫婦二人ともが働き、年収がある家族に目を付けた「ペアローン」です。二人の年収を合わせれば、約二倍の住宅ローンを組むことが可能で、億ションでも手が出せるという事なのです。もちろん、普通のサラリーマンでは買えませんが、年収の多い富裕層の家族であれば、将来の資産価値も踏まえて、購入する道もあるわけです。
しかし、これには、多くのリスクを考えなければなりません。 そのリスクを言えば、
・健康面のリスクで、どちらかが働けなくなった場合
・子供が生まれて、妻に正社員としての勤務が困難となり、ローンの返済が厳しくなる状況
・健康や子育てに問題がなくても、勤める会社のどちらかに経営不振や人員整理があった時の問題
手早く言えば、銀行が「ペアローン、どうですか?」と美味しそうなことを言ってきても、安易に手を出すのは、疑問があります。
貸してくれるならば、買いたい。この気持ちは分かりますが、銀行は購入対象のマンションを抵当に入れますので、リスクは少ないのです。
しかし、借りる側は、支払い不能となったときに、せっかくの不動産を手放さなくてはならない可能性があります。銀行は、貸し出すリスクも考え、計算に入れて、なおかつ、損をしない方法で、ローンの商品を出しています。マイホームが欲しい。なので、夫婦合算で借りられる良い方法があれば、確保したい。この気持ちを駆り立てられます。
億に達するローンの借り入れは、銀行が貸すのだから問題はないだろう、との考え方もあり、すでに結構な人数の人が借り入れて購入しています。
しかし、「可能」イコール問題がない、という事にはならないので、十二分に考えて行動しましょう。
石井 勝利
投資家
経済評論家
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