アメリカで「変動金利」を選ぶ人は1割弱だが…結局、家を買うとき「変動金利」と「固定金利」のどちらを選ぶべきか?→住宅ローンの専門家が回答

アメリカで「変動金利」を選ぶ人は1割弱だが…結局、家を買うとき「変動金利」と「固定金利」のどちらを選ぶべきか?→住宅ローンの専門家が回答
(※写真はイメージです/PIXTA)

マイホーム購入を検討している人にとって、住宅ローンの金利タイプで「固定金利」か「変動金利」かを選択するかは、頭を悩ませる問題ではないでしょうか? 日銀による金利上昇の気運も高まるなか、今、私たちが住宅ローンを組む際に考えておくべきことについて、住宅ローン専門家である千日太郎氏の著書『マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』(扶桑社)より、詳しく見ていきましょう。

「ペアローン」と「収入合算」を現実的に考える

時代や景気、労働市場などの変化に伴い、現代社会では夫婦共働きがスタンダードになってきています。最近では、夫婦で住宅ローンを組むときには「ペアローン」や「収入合算」を選択する人も増えています。

 

ペアローンは夫婦がそれぞれ住宅ローンの契約をして、それぞれが相手の連帯保証人となります。2人分の融資が受けられるため、より高い物件を手に入れられます。

 

住宅ローン控除でもそれぞれの税金から控除を受けられますが、夫婦の債務の比率は途中変更できず、どちらかが無収入になった期間の控除はどちらかで賄うことはできません。妻が出産や育児などで収入が途絶える可能性を考えると、慎重になるべき点です。

 

収入合算は住宅ローンを申し込む人(債務者)の収入に、相手(収入合算者)の収入を合算して申込をする方法です。契約する住宅ローンは1本で、収入合算者が連帯保証人となります。

 

夫婦の収入を合算して審査されるため、2人分の融資を受けられますが、住宅ローン契約者は債務者の1人だけなので、住宅ローン控除の上限はペアローンより小さくなります

 

融資額や控除額が増えるメリットもありますが、連帯保証人になっていることで、住宅ローン全額の責任を負うリスクもあります。仮に離婚して夫婦関係が解消されても、なくならないのが連帯保証(債務)です。そのリスクを十分理解しておきましょう。

 

出所:『マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』より抜粋
[図表4]「ペアローン」と「収入合算」の違い 出所:『マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』(扶桑社)より抜粋

 

利上げの実態を知っておけば怖くない

私のもとに相談に訪れる人で、いちばん多いのが「この物件を購入して本当に自分が住宅ローンを払いきれるのか」と「変動金利と固定金利のどちらにしたほうがいいのか」という相談です。

 

私自身も住宅ローンを組む際に、変動金利か固定金利かどちらを選ぶかについては、かなり頭を悩ませました。

 

確かに変動金利は安いのですが、銀行の都合で基準金利が上下します。そのリスクを取ってもいいのか……。現役の会計士であっても、当時はまだ住宅ローンの専門家ではなかったため、難しい選択だったのです。

 

日本では今まで、変動金利は上がっていませんでした。そのためもあるのか、日本で住宅ローンを組む人の実に9割以上が変動金利を選んでいると言われています。海外、特にアメリカだと国の事情や制度が違うこともありますが、変動金利を選ぶ人は1割弱しかいないそうです。

 

必要以上に「日銀の利上げがいつなのか」と恐れるなら、金利は高めでも固定金利を選ぶとよいでしょう。考え方次第ですが、変動金利で0.1〜0.2%上がったとしても、毎月の支払いは1,000円くらいしか増えません。

 

しかも、変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」があります。突然金利が上がったからといってパニックにならないよう、あらかじめ知識を持っておくことが大切なのです。

 
[図表5]日本とアメリカにおける固定金利と変動金利を選ぶ人の比率 出所:『マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』(扶桑社)より抜粋


 

 

千日 太郎

オフィス千日(同)代表社員

公認会計士

 

 

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※本連載は千日太郎氏の著書『マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』(扶桑社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家の買い方」

マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家の買い方」

千日 太郎

扶桑社

マイホームを購入するための住宅ローンは、年収の何倍もの金額であり、返済期間は生きてきた期間かそれを超える期間にわたる契約です。 いままで経験したことのある大きな買い物のノウハウは、ここではほとんど役に立ちません…

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