自分が亡くなったあと、誰も住む予定がない家はどうなる?「子どもたちに迷惑をかけたくない」78歳女性が抱く〈漠然とした不安〉を解決する3つの選択肢とは?【CFPの助言】

自分が亡くなったあと、誰も住む予定がない家はどうなる?「子どもたちに迷惑をかけたくない」78歳女性が抱く〈漠然とした不安〉を解決する3つの選択肢とは?【CFPの助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

夫に先立たれた78歳のAさん。自分が亡くなった後に子どもに迷惑をかけないよう生きている間に自宅を売却し、老後資金として活用しようと考えていますが、売却した後に高齢者が賃貸に住めるのかが不安に感じています。今回は自分が亡くなった後に誰も住む予定のない家の活用方法について、住宅ローンアドバイザーでCFPの資格を持つ新井智美さんが解説します。

最近よく聞く「リバースモーゲージ」「リースバック」とは?

さらに、自宅を活用して老後資金を得る方法もあります。

 

1つは「リバースモーゲージ」といわれるもので、自宅を担保として金融機関からお金を借り、自分が亡くなったあとは自宅を処分して返済する仕組みです。生きているうちは利息のみを支払えばいい点が特徴ですが、物件の価値次第では死ぬまでに借り入れた金額を使い果たしてしまう可能性があります。また、生きている間に家や土地の価値が下がった場合、借入限度額が見直される点に注意が必要です。そのときには子どもに迷惑をかけてしまうかもしれません。

 

ただ、リバースモーゲージには種類があり、生存中に借入限度額が見直されて自宅を売却しただけでは借入残債を返済できない場合でも相続人が返済の負担を受けずに済むノンリコース型を選ぶことで、子どもたちに迷惑をかけたくないというAさんの願いをかなえられます。

 

もう1つは「リースバック」といわれるもので、リースバック業者に自宅を売却し、売却したあともリースバック業者に賃料を払うことで売った自宅に住み続けられる仕組みです。売却した後も自宅に住み続けられる点は大きな魅力ですが、自宅の所有権はリースバック業者に移るため、自分で勝手にリフォームするなどといったことはできません。売却後は賃借人としての立場に変わることを意識しておく必要があります。

 

リースバックを利用する際の注意点は、売却価格が相場よりも低くなりやすく、また賃料は相場よりも高くなりやすい点や、リースバック業者によっては賃貸として住める期間が限定されているケースがあることです。賃貸期間が終了したら家を明け渡す必要があり、その後の住まいをまた考えなければなりません。そのため、賃貸期間が決まっている場合は今後有料老人ホームなどに入ることを希望しており、入居資金と入居先を探すまでの時間を必要としている人に向いています。

 

どちらも自宅に住みながら老後資金を得られる方法ではありますが、リバースモーゲージは基本的にマンションには適用されない点や、自分が亡くなった後に自宅の処分が必要になる点を覚えておかなければなりません。

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