前回は、どのくらい稼げば「幸せな経営者」になれるのかを検証しました。今回は、子どもが会社を「継ぐ気がない」場合の対策を紹介します。

無理やり継がせても、事業はうまくいかない

中小企業では経営者の多くが、我が子に会社を継いでもらうことを望んでいます(以下の図表参照)。〝儲け上手社長〞となり会社が安定した利益を得られるようになれば、子どもを後継者にしたいという思いはさらに強まることでしょう。

 

[図表]経営者として望む後継者像のグラフ

 

しかし、親の望みや期待とは裏腹に、「他にやりたい仕事がある」「企業経営には興味がない」等々の理由から、子には親の事業を引き継ぐ意思が全くないようなケースもあるでしょう。

 

継ぎたくないと思っている者に無理やり継がせても、事業はうまくいきません。無理強いは禁物です。子が継がないのなら、別の親族やあるいは従業員の中などから後継者候補を探すという選択肢もあるはずです。

後を継ぐ人材がいなければ「M&A」も視野に

また、もし、どうしても後を継がせるのにふさわしい人材が見つからないようであれば、会社を売却することを、すなわちM&Aを検討してみてはいかがでしょうか。

 

企業のM&Aをサポートしているコンサルタント会社の中には、後継者のいない中小企業の売買を専門に取り扱っているようなところもあります。そのような業者を利用すれば買い手をスムーズに見つけ出すことができるでしょう。

 

子は自分のしたい仕事をできる、買収先で事業が継続されることにより従業員の雇用も確保される、経営者には事業を売った代金としてまとまったお金が入る――というように、M&Aは全ての当事者にメリットがある〝三方よし〞の解決策といえます。

 

「先祖代々、受け継いできた会社なのだから、子どもが継ぐのは当然」という思い込みにしばられずに、ぜひ、様々な選択肢を探ってみてください。

本連載は、2015年11月12日刊行の書籍『「儲かる」社長がやっている30のこと』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「儲かる」社長がやっている30のこと

「儲かる」社長がやっている30のこと

小川 正人

幻冬舎メディアコンサルティング

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