前回は、月次決算書を作成し、活用する方法を説明しました。今回は、「幸せな経営者」になるにはどの程度稼げばいいのか、具体的に見ていきましょう。

目指すは「年収3000万円」「資産1億円」

〝儲け上手社長〞になることを決意したら、目標とする年収・資産を具体的な数字の形で掲げることをお勧めします。

 

まず年収については、きりのよいところで3000万円を目標としてみてはいかがでしょうか。中小企業で3000万円以上の年収を得ている経営者はそれほど多くはないはずなので、これだけの収入を得ていれば十分に〝儲けている〞といえるでしょう。

 

ご参考までに、以下の図表のグラフをご覧ください。日本実業出版社が2012年9月に中小企業に対して行った「役員報酬・賞与・退職金」に関するアンケート調査の結果から抜粋したもので、役員報酬(月額)と役員賞与の分布がまとめられています(回答企業は176社で、資本金1億円未満の企業が8割以上を占めます。業種は、製造業、卸・小売業、サービス業、不動産業、運輸関連業、コンサルタント業などです)。

 

[図表]中小企業経営者の年収のグラフ

 

このグラフが示すように、中小企業の会長の3割、社長の1割は月に50万円未満の役員報酬しか得ていません。また、100万円以上の役員報酬を得ているのは会長の5割未満、社長の6割未満にすぎません。しかも、役員賞与については、会長のうち76.9%が、社長のうち70.2%がゼロ円の回答となっています。

 

これらの数字からは、大半の中小企業経営者の年収は多くても1000万円から2000万円程度であると推測されます。このような比較からも、3000万円の年収を得られれば〝儲けている〞という確かな実感を感じられるはずです。

 

一方、資産については、さしあたり1億円を目指してみてはどうでしょうか。1億円の資産があれば老後の生活には不自由がないといわれているので、それだけの資産を確保できれば仮に仕事をリタイアしても不安を感じずに済むはずです。

期限を決め、一年ごとの着実な目標の達成を目指す

目標とする年収・資産の額を決めたら、いつまでにそれを実現するのか、具体的な期限も決めましょう。

 

期限を決めることなく「頑張っていればいつか3000万円稼げるようになるだろう」などという姿勢では、だらだらと時間が過ぎていくばかりで、いつまでたっても目的を実現できないことになるかもしれません。

 

一方、期限を定めれば、「今年は年収1500万円か、3年後に3000万円を実現すると決めているのだから来年は2000万円にしてみせる」というように、毎年の努力目標もおのずと決まります。それを一年一年着実に達成していけば、最後には3000万円の年収と1億円の資産を手に入れられるはずです。

 

年収3000万、資産1億円は大金持ちとまではいえないかもしれませんが、少なくとも小金持ちとはいえるでしょう。自分にとっての幸せを感じながら、好きな仕事をして目標を実現できれば申し分ありません。

 

そんな〝幸せな小金持ち〞になることを、ぜひ目指してみてください。

本連載は、2015年11月12日刊行の書籍『「儲かる」社長がやっている30のこと』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「儲かる」社長がやっている30のこと

「儲かる」社長がやっている30のこと

小川 正人

幻冬舎メディアコンサルティング

改善の兆しが見えてきたといわれる日本経済ですが、その恩恵を受けているのはほとんどが大企業であり、多くの中小企業はむしろ窮地に立たされているのが現状です。 円安による原材料費などの高騰、人件費上昇や電気料金の値上…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録