(※写真はイメージです/PIXTA)

よく「人付き合いが苦手だからマンションを選んだ」と言う人がいますが、この認識は誤りです。マンションの管理力を高めるうえで、コミュニティの形成こそが重要な基盤となっているからです。今回は、不動産コンサルティング会社〈さくら事務所〉の創業者である長嶋修氏と〈さくら事務所〉の共著『マンションバブル41の落とし穴』(小学館)から一部抜粋し、マンションの管理力を測るうえで重要なポイントについてご紹介します。

マンション暮らしでも「人付き合い」が重要である理由

一方で、横のつながりを持って他人とかかわることに抵抗感を持つ人もいるかもしれません。よく「人付き合いが苦手だからマンションを選んだ」と言う人がいますが、そもそもこの認識が誤りです。

 

マンションは購入した途端、強制的に管理組合のメンバーに加えられ、一定の頻度で管理組合の理事会役員も務めなければならず、戸建住宅で生活するよりも断然人との関わりが多くなります。賃貸なら役員を務める必要もないので、無関心を貫けますが、マンションを買って区分所有者になったなら、人付き合いを避けては通れません。

 

仕方なく理事会の役員を務め、任期が終わると「後はもう関係ない」とばかりに、管理組合総会や防災訓練などのイベントにも参加しなくなるような住民ばかりだと、そのマンションは横のつながりが希薄になります。一見、気楽で良さそうに見えるかもしれませんが、こうした状況だと、管理費の値上げや長期修繕計画の見直しなど、今多くのマンションで問題になっている重要なテーマに関しても、活発な議論が望めないでしょう。

 

結果として、管理はすべて管理会社にお任せ状態になりがち。となると、頻繁に管理費が値上げされたり、本来不要な修繕工事が行われたりするかもしれず、異常に高コスト体質の住み心地の悪いマンションになってしまうリスクがあります。

 

この状態ではもちろん管理力は高いとは言えず、市場における競争力は低下します。中古マンションを買うのであれば、賑わいのあるコミュニティかどうかに注目すべきでしょう。イベントが盛況だったり、管理組合総会の出席率が高かったりすれば、ある程度横のつながりが保たれたマンションだと判断することができそうです。

 

 

長嶋 修

さくら事務所 会長

 

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マンションバブル41の落とし穴

マンションバブル41の落とし穴

長嶋 修・さくら事務所

小学館

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